「企業の強み・思い」と「生活者の本音」を重ねていくと、そこには必ず「答え」があります。いい商品・サービスをつくれば必ず売れるわけではありません。たった1つの図を使って、問題を解決する力を身につけていきましょう。新刊『問題解決ドリル 世界一シンプルな思考トレーニング』より、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのケースを紹介します。

本連載は、Q&A方式で展開します。1ページ目:質問、ヒント、2ページ目:答え、重ねる技術、企業の強み・思い、生活者の本音、重なりの発見の解説を順に掲載。

「企業の強み・思い」――自社では気づいていない独自性やポテンシャルを発見しましょう。また、社内の常識が邪魔をしてやりたいことができていない本来の思いを再発見することが大切です。
「生活者の本音」――生活者は言葉にしていないだけで、実はまだ満たされていない欲求があります。その不安や不満を発見しましょう。

上記をたよりに、質問からそれぞれを考えてみてください。2つを重ねていくことで、答えが導かれます。求められる答えは、2ページ目冒頭の画像をクリックすれば表示され、問題解決のポイントをあわせて読むと、より理解が深まります。

第1回目ということもあり、「企業の強み・思い」「生活者の本音」もヒントに加えます。それでは、質問に移りましょう。

質問

 映画のテーマパークとして日本に誕生したユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、2001年度の年間入場者数1100万人を達成して以来、低迷していました。

 ところが、2010年以降、入場者数はV字回復を見せ、2015年には東京ディズニーシーを抜き、1390万人と最高記録を達成しました。

 落ち目になったテーマパークの入場者数を増やすのは並大抵のことではありませんが、USJのマーケティング責任者は、いったいどんな戦略をとったのでしょうか。

ヒント

 USJは「ディズニーと差別化しなければいけないのか?」という疑問を投げかけました

企業の強み・思い:ハリウッド仕込みのエンターテインメントをつくる技術を活かせば、もっと受け入れられるはず

生活者の本音:子どもに、関西ではなかなか味わわせてあげられないテーマパークならではの特別な体験をさせてあげたい