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ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。
【第26回】 2016年10月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
原田まりる [作家・コラムニスト・哲学ナビゲーター]

浮気現場の詳細を手紙で恋人に送った「哲学の巨人」は誰?

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『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』より

感動的な書籍を書いたからといって、その人の人格まで優れているとは限らない。特に論理的かつ人々の心に突き刺さるような思想を追求した哲学者たちを見ると、書籍に綴られている内容こそ感動的だが……本人の人格はどこか破綻していたり、社会不適合者の烙印を押されていたり、と「人格に難あり」と言い伝えられている哲学者たちは多く存在する。そんな哲学者たちの「偏愛エピソード」を紹介していこう。

浮気現場の詳細を手紙に書いてつづったサルトル

 「実存主義とはなにか」などで知られる20世紀の哲学者サルトルは無類の女好きで有名であり、生涯をかけて多くの女性たちと同時に交際にしていたモテ男であった。

 サルトルは「人は女に生まれるのではなく、女になるのだ」で有名なボーヴォワールを内縁の妻のように連れ添っていたが、なんの悪びれもなくたくさんの女性と浮気を繰り返した。

 しかし、浮気を繰り返すことに関して、サルトルの中では明確な理由があったのだ。

「必然の関係(本命)」と「偶然の関係(浮気)」

 サルトルはボーヴォワールとの関係は「必然の関係」であると言い切っており、それ以外の女性たちとの関係は「偶然の関係」としていた。

 ボーヴォワールに対して「君との関係は必然だ。けど、偶然の関係も知っておかなくちゃいけない」という一見めちゃくちゃな(?)サルトルなりの理論があり、「こんな偶然の関係(浮気)があったんだけど、君にはきちんと報告するね。なんせ君とは必然的な関係だからさ」と、浮気相手と肉体関係をもった詳細をいちいちボーヴォワールに手紙で報告していたのだ。

 これに関して、ボーヴォワールを不憫に思う人もいるかもしれないが、ボーヴォワール自身も「偶然の関係(浮気)」を存分に楽しんでおり、浮気相手がたくさんいたようだ。

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    原田まりる(はらだ・まりる) [作家・コラムニスト・哲学ナビゲーター]

    1985年 京都府生まれ。哲学の道の側で育ち高校生時、 哲学書に出会い感銘を受ける。京都女子大学中退。 著書に、「私の体を鞭打つ言葉」(サンマーク出版)がある。


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    17歳の女子高生・児嶋アリサはアルバイトの帰り道、「哲学の道」で哲学者・ニーチェと出会います。哲学のことを何も知らないアリサでしたが、その日をさかいに不思議なことが起こり始めます。キルケゴール、サルトル、ショーペンハウアー、ハイデガーなど、哲学の偉人たちが続々と現代的風貌となって京都に現れ、アリサに、“哲学する“とは何か、を教えていきます。本連載では、話題の小説の中身を試読版としてご紹介します。

     

    「ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。」

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