「今年も巣ごもり年末年始」という人は少なくないはず。そうはいっても日々の仕事に追われているビジネスパーソンからすれば、久しぶりに時間がたっぷりとれるこのときを、無駄に過ごしてはもったいない!読書を通じて充実した時間を過ごしたいものだ。
そこで、2009-2010年の年末年始に引き続き、これまで1万7~8000冊以上の本を読破してきた“本のカリスマ”であり、数多くの出版コンサルティング、プロデュースを行っている土井英司氏に、「ビジネスに活きる本の上手な読み方」と「年末年始に読みたい」&「2011年仕事がやる気になる」書籍をそれぞれ教えてもらおう。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林恭子)
インターネットではダメ!
ビジネスストーリー作りを本で学ぼう
――インターネットの普及により、ビジネスパーソンのネットに費やす時間が急増しています。しかし、その一方で大きく減少しているのが読書時間です。確かにネットは便利で情報もたくさん得られますが、ネットにはない「本を読む効用」とは何でしょうか。
ビジネスの世界には、「これをすればうまくいく」という単純な答えはありません。成功するためには、「どういうストーリーを描くか」が非常に重要です。その力を鍛えるのに、インターネットではまず無理でしょう。なぜならインターネットというツールで得られるのは切り貼りの情報に過ぎず、そのノウハウではすぐに競争相手が現れるからです。確かにビジネスモデルを知ることは大切ですが、人とは違うストーリーを描いて、そのプロセスを継続することによって、はじめて競争優位性がもたらされることを忘れてはいけません。
そうしたストーリー作りの技術を磨くために「本」はとても優れています。なぜなら、本には切り貼りした情報だけではない、思考を深める上での“連続性”があるからです。
ストーリー作りの技術を磨くための本以外の方法としては、誰か優秀な人の話を聴くという方法があります。ただ、だからといって飲み会の席で話を聞いても意味がありません。なぜなら連続性のあるストーリーは論理性が必要で、その論理性は場をしらけさせてしまうからです。
飲み会での話は、インターネットと同じで“一発ネタ”に過ぎません。そうなると、連続性のあるストーリーを作る力を磨ける場は、やはり「本」か、じっくりと話を聴くことのできる「セミナー」になります。どちらもロジックと連続性がありますから、格好の教科書になると思いますよ。