1月4日、菅直人首相が年頭会見に臨んだ。

 元日の朝にも述べた「開国元年」というキャッチフレーズを繰り返し、TPP参加を視野にも入れた貿易自由化の促進を訴え、外に向けた「開国」を強調した。

「開国」に異論はない。いや、その宣言は遅すぎたとさえいえる。

 インターネットメディア等の台頭により、世界中で社会構造の転換が図られている。そうした現実の変化からも、居心地のよい「鎖国」に閉じこもっていた政治家やメディアの方が遅すぎたのだ。

 この20年間、「情報公開」、「オープンな政治」を訴えてきた菅首相だが、政権に就いた途端、まるで過去の自分を呪うかのように真逆の政策を採ってきた。

 先月までの約3ヵ月間、一切記者会見を開かないという酷い対応で情報管理に励んだのみならず、この日の会見では再度、会見時間を短縮させた。

 鳩山首相時代は、いつも約1時間ほど行っていた首相会見は、菅首相になって40分に減らされ、さらにこの日、ついに30分になってしまった。

 しかも、普段から「ぶら下がり懇談」で首相に接する機会の多い記者クラブメディアにばかり質問が当たる。結局、ネットとフリーランスの記者からの質疑は、私の行なった一問だけであった。

〈――首相は野党時代から情報公開、そして今クリーンでオープンということを訴えていますが、情報公開の観点から官房機密費の公開、記者会見のフェアなオープン化ということを約束したが、これを守っていただく時期はそろそろきたのではないか。この件に関してやるのかやらないのか〉

「会見のあり方について何度かこの場でご質問といいますか提案をい ただきまして、私もできるだけオープン化すべきだという姿勢で私自身の会見は臨んでおります。また閣議あるいは閣僚懇の席でも各閣僚にできるだけそういう 姿勢で臨むようにということを申し上げているところです。官房機密費の問題はいろいろな経緯、いろいろな判断がありますので官房長官と十分考え方を合わせて対応していきたいと思っております」(産経新聞WEB要約版)