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田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

小選挙区は廃止せよ!
矛盾だらけの二大政党が日本をおかしくする

田村耕太郎
【第2回】 2011年1月18日
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「腐敗と派閥」より「経済財政の危機突破」

 日本政治が機能していない。今こそ小選挙区制度を廃止すべきだ。われわれ国民も芸能メディアのような政局重視の政治メディアから距離を置き、選挙制度や統治機構という真の問題点を議論しなくてはならない。いくら政権交代を繰り返しても中身の変わらない、二大政党間の権力争いが続くだけだ。国民には望ましい選択肢が生まれない。二大政党がお互いを追い込みあっているのはエンターテイメント性はあるが、問題解決にはつながらない。政界に新しい人材を増やし、今までとは違う理念や政策で合致した集団同士が本音で議論し決断していくべきだ。

 小選挙区制度は、のん気なバブル時代に「腐敗と派閥を撲滅する」との目的で導入された。今の国家の経済財政危機に比べたらいかにもささやかな背景だ。「腐敗と派閥の撲滅」が500兆円のGDPや1000兆円の借金と比べてどれだけ国益があるのか?一方で小選挙区制度が生み出した経済的損失は計り知れないと思う。

 日本の問題は深刻だ。マッキンゼーのレポートによれば、今後世界では貯蓄不足が起こり、金利が徐々に上昇していくといわれる。GDPの2倍近い公的債務を積み重ねるわが国の財政へのダメージは想定以上となろう。それに備え、わが国は大事な資源である労働力と金融資産を活用して潜在成長率を上げていかねばならない。ここは政治主導で労働市場と金融市場を改革し活性化すべきなのだ。

 しかし、政治は建設的指導力を発揮できそうにない。それどころか、与党の党内抗争とねじれ国会で結果を出せそうもない。内閣改造は国民に何のための改造なのかのアピールが無く、民主党内の結束はおろか、野党との協力にも逆効果の人事が目立つ。このままでは次期通常国会で予算審議が行き詰るのは必至の展開だ。

 今回は日本政治を機能させるための提言をしてみたい。アイデアはいろいろあるが、優先順位をつけて、まず小選挙区を廃止することから提言したい。ここに日本政治の改革のカギがある。食べたくない2つのメニューしか出せない選挙が、日本政治を機能停止に追い込んでいる。もっと美味しくてバラエティ豊かなメニューが提示できる制度にしよう。

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田村耕太郎

エール大学、ハーバード大学元研究員。
世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク、ランド研究所にて唯一の日本人研究員を務めた。新日本海新聞社相談役。前大阪日日新聞代表取締役社長。国立シンガポール大学公共政策大学院元研究員。
‘02年から‘10年まで2期参議院議員を務める。その間、内閣府大臣政務官(経済財政・金融・地方分権・再チャレンジ各担当)、参議院国土交通委員長を歴任。
著書には『君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?』『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』などがある。

 

 


田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

欧米だ、シンガポールだ、韓国だ、中国だ、そんなことを言っても、キャッチアップのモデルはもはや世界に存在しない。日本は日本の現状に合わせて自らをモデルチェンジするしかない。坂の上にもはや雲はない!

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