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田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

アブダビが証明する“欧州危機は日本のチャンス”
激化する韓国企業との戦いに勝て!

田村耕太郎
【第40回】 2012年2月20日
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日本に対して
本気になってきたアブダビ

 経産省とアブダビ政府がメインのスポンサーとなり開催された「アブダビフォーラム2012」に行ってきた。アブダビの近年の成長は著しい。2000年に500億ドルだったGDPは、今や1700億ドルと3.4倍の伸び。一人当たりGDPも、同期間で4万4000ドルから8万9000ドルへ倍増。海外交易も210億ドルが3.6倍の760億ドルに急上昇している。

 500名ほど着席できる会場は、日本企業の関係者で一杯。経産省に聞くと「今の日本企業はグローバル化に関心が高く、新興国セミナーには、けっこう人が集まるようになりました。円高の影響もあるのでしょう。でもアブダビは別格です。こんなに人が集まるセミナーはアブダビだけです」と言う。

 アブダビからは政府、経済特区関係者、政府系ファンド、商業銀行、国営資源エネルギー会社、証券取引所等、そうそうたる部門のトップが来日。

 アブダビ経済開発区のスウェイディ長官は「中東・アフリカ・中央アジアのハブを目指す。石油依存から脱却し、製造業のウエイトを高め雇用を生みたい。欧米の大学を誘致することも含めて高等教育を充実し、アブダビの経済構造改革を担う人材をアブダビで育成したい。そのためには技術と高度な人材と資金を持つ日本との連携が欠かせない」と強調していた。

 産油国としての資金と欧州銀行からの資金流入で自信満々で高飛車だったアブダビ側。しかし彼らの日本企業へのアピールは例年にも増したものだった。それには理由がある。欧州危機である。例えば、アブダビの様々なプロジェクト資金。資金の60%が欧州の銀行から来ていたという。これらが、今立て続けに中止になっているのだ。余裕のなくなった欧州の銀行がアブダビから徐々に手を引いている。「このままだとプロジェクトが持たない。日本の金融機関や商社に肩代わりしてほしい」という要望があるのだ。

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田村耕太郎

エール大学、ハーバード大学元研究員。
世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク、ランド研究所にて唯一の日本人研究員を務めた。新日本海新聞社相談役。前大阪日日新聞代表取締役社長。国立シンガポール大学公共政策大学院元研究員。
‘02年から‘10年まで2期参議院議員を務める。その間、内閣府大臣政務官(経済財政・金融・地方分権・再チャレンジ各担当)、参議院国土交通委員長を歴任。
著書には『君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?』『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』などがある。

 

 


田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

欧米だ、シンガポールだ、韓国だ、中国だ、そんなことを言っても、キャッチアップのモデルはもはや世界に存在しない。日本は日本の現状に合わせて自らをモデルチェンジするしかない。坂の上にもはや雲はない!

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