IT化で増えるフリーランスという働き方の不利と有利

 ITが可能とする柔軟な働きとして前回述べたのは、組織に雇われて働く場合についてものだ。具体的には 、テレワークやフレックスタイムについて述べた。

 ITの影響はこれにとどまらない。クラウドソーシングやシェアリングエコノミーの発展によって、組織を離れて働くフリーランサーが増加している。

フリーランサーが
増えている

 ダニエル・ピンクは、『フリーエージェント社会の到来』(ダイヤモンド社、2002年)において、アメリカにフリーランサーの時代が到来していると述べた。その後、ITの進展によって組織から離れて働く条件が整い、とくにアメリカでは、フリーランサーが増えている。

 この状況は、「FREELANCING IN AMERICA: 2016」で見ることができる。

 このレポートは、フリーランサーとして5つのタイプを区別している。

(1)独立契約者(独立労働者の35%、1910万人)
 雇用されず、一時的にまたはプロジェクトベースで自分自身で仕事を行なう。

(2)分散労働者(28%、1520万人)
 従来の形の雇用やフリーランスの仕事など、さまざまな収入源から所得を得る。例えば、週20時間は歯科医の受付で働き、残りはUberで運転をしたりする。

(3)ムーンライダー(25%、1350万人)

 従来の形態で雇用され、その他にフリーランスの仕事をする。例えば、企業に雇われてウェブの仕事をするが、夜には、他の会社のウェブの仕事をする。

(4)フリーランスのビジネスオーナー(7%、360万人)

 フリーランサーとして事業を所有し、何人かの人を雇用する。