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野口悠紀雄 新しい経済成長の経路を探る

IT化で増えるフリーランスという働き方の不利と有利

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第10回】 2016年11月17日
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 ITが可能とする柔軟な働きとして前回述べたのは、組織に雇われて働く場合についてものだ。具体的には 、テレワークやフレックスタイムについて述べた。

 ITの影響はこれにとどまらない。クラウドソーシングやシェアリングエコノミーの発展によって、組織を離れて働くフリーランサーが増加している。

フリーランサーが
増えている

 ダニエル・ピンクは、『フリーエージェント社会の到来』(ダイヤモンド社、2002年)において、アメリカにフリーランサーの時代が到来していると述べた。その後、ITの進展によって組織から離れて働く条件が整い、とくにアメリカでは、フリーランサーが増えている。

 この状況は、「FREELANCING IN AMERICA: 2016」で見ることができる。

 このレポートは、フリーランサーとして5つのタイプを区別している。

(1)独立契約者(独立労働者の35%、1910万人)
 雇用されず、一時的にまたはプロジェクトベースで自分自身で仕事を行なう。

(2)分散労働者(28%、1520万人)
 従来の形の雇用やフリーランスの仕事など、さまざまな収入源から所得を得る。例えば、週20時間は歯科医の受付で働き、残りはUberで運転をしたりする。

(3)ムーンライダー(25%、1350万人)

 従来の形態で雇用され、その他にフリーランスの仕事をする。例えば、企業に雇われてウェブの仕事をするが、夜には、他の会社のウェブの仕事をする。

(4)フリーランスのビジネスオーナー(7%、360万人)

 フリーランサーとして事業を所有し、何人かの人を雇用する。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄 新しい経済成長の経路を探る

 日本が直面している課題は、実体経済をいかにして改善するかである。それは金融政策によって実現できるものではない。
 金融緩和に依存して長期的に衰退の道を辿っているヨーロッパ大陸諸国と日本。それに対して、新しい情報技術をつぎつぎに開発し、高度なサービス産業に特化して成長しつつあるアメリカとイギリス。両者の差は、イギリスのEU離脱によって、具体的な 形を取りつつある。
 日本はいま、基本的な成長のパタンを大きく変更しなければならない。これは、純粋な研究開発だけの問題ではない。企業の仕組みや社会全体の構造が重要な役割を果たす。

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