中国の周辺に位置する東南アジア諸国や旧ソ連諸国、あるいはモンゴルを頻繁に訪れたことがある方ならばお分かりいただけるだろうが、各地での中国のイメージは総じて良好とはいえない。中国製品については「安かろう悪かろう」というイメージが根強くあり、特に電化製品や自動車では、中国以外の国の有名ブランドの製品を買おうとする傾向が強い。

 東南アジアで、“外国家電メーカー”といえば、「最も壊れなくてデザインもいい」日系メーカーが筆頭にあがる。特に壊れたら命に関わる冷蔵庫や自動車などは日系メーカーの製品に絶大な信頼を寄せる。ところが、そうした国々でも(中央アジアの国々でも)、新しい世代の消費者に聞けば、違う答えが返ってくる。「韓国メーカーこそ格好いいメーカーだ」として、好んで選んでいる。

ノートパソコンの展示にも韓流の波!

 タイやベトナムなどの人口の多い国の売り場を見れば、そのヒントが見えてくる。家電量販店で日本のメーカーやフィリップスなどの液晶テレビ・プラズマテレビがクオリティをアピールするために美しい映像を流している一方で、サムスンやLGの製品は韓国のアイドルグループの音楽プロモーションビデオをひたすら流している。消費者としては自然と彼女らのほうに視線が行く。

 東南アジアでは長らく日本のコンテンツに人気が集中していた。ところが最近ではどこに行っても韓流コンテンツだらけだ。少々古いレポートだが、日本貿易振興機構(JETRO)の調査レポート「東南アジア3ヶ国におけるコンテンツ市場の実態(タイ、シンガポール、マレーシア)」によれば、特にタイにおいて韓国ポップカルチャーの流入が激しいという。