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田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

今こそ日本版政府系ファンドを設立せよ!
金融こそ日本が食べていく道

田村耕太郎
【第4回】 2011年1月28日
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3300兆円超える資産

 経済的に成熟したわが国が今後何で食べていくべきか?たくさんの議論がある。わが国が持つ最大の資源を有効活用するのは当然である。その中の最優先の一つとして、間違いなく金融資産がある。国、企業、個人が持つ金融資産の総額は3300兆円を超える。

 この莫大な金融資産を国内外に投資し、日本や社会のさらなる発展に役立て、共にリターンを分かち合っていくべきだ。そのため、わが国金融市場と金融産業の整備振興を急がなければならない。その起爆剤として、今こそ政府系ファンドの設立を提言したい。政府系ファンド設立を、わが国における高度金融人材の育成と金融市場の活性化につなげていくのだ。

 政府系ファンドの定義は専門書にまかせることにしよう。私が提言したいのは、今こそ、世界最大級のわが国のバランスシートを世界最高水準の人材を活用し、有効活用すべきだということだ。有効活用と言うのは、何でもかんでもリターン狙いでハイリスクを取っていけということではない。

 狙いは3つだ。第一に、資産の減価を防ぐ。第二に、リターンを生み負債を圧縮し、政策財源に使う。第三に、安全保障上の戦略的投資と日本の技術の海外展開支援だ。

 そもそも資産は持っているだけでリスクがある。もしリスクをゼロにしたいなら資産は持つべきではない。年金の運用で、全額国民に返して国民が運用すべきだとの考えがある。全くその通りだ。もし、国民一人ひとりに公平に正確に分割して返却できるならの話だ。金融資産にしろ、不動産にしろ、国が持つ資産の多くは、国民に公平に割って返すことなどできないものだ。

 金融がグローバルにつながっている今日、わが国が保有する莫大な資産は世界市場の影響を受け続ける。誰がどう運用するかによって、国民の大事な資産が目減りするかもしれないのだ。国民の財産を守るためにも、莫大な国家資産の、運用技術を急いで向上させなければならない。

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田村耕太郎

エール大学、ハーバード大学元研究員。
世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク、ランド研究所にて唯一の日本人研究員を務めた。新日本海新聞社相談役。前大阪日日新聞代表取締役社長。国立シンガポール大学公共政策大学院元研究員。
‘02年から‘10年まで2期参議院議員を務める。その間、内閣府大臣政務官(経済財政・金融・地方分権・再チャレンジ各担当)、参議院国土交通委員長を歴任。
著書には『君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?』『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』などがある。

 

 


田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

欧米だ、シンガポールだ、韓国だ、中国だ、そんなことを言っても、キャッチアップのモデルはもはや世界に存在しない。日本は日本の現状に合わせて自らをモデルチェンジするしかない。坂の上にもはや雲はない!

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