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野口悠紀雄 人口減少の経済学

40-59歳人口の減少は、
日本経済に大きな影響を与えた

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第15回】 2011年1月28日
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 少子化による総人口の減少が、日本経済停滞の原因であると言われる。

 しかし、総人口の動きと日本経済の動向との間には、あまり明確な関係が見られない。

 【図表2】に示すように、日本の総人口は、1990年代末までは、0.2%を超える年率で増加し続けていた。しかし、日本経済はすでに90年代の初めから頭打ちになり、後半には停滞がはっきりしていたのである。だから、日本経済停滞の原因が総人口の動向にあるとは言い難い。

 総人口が2008年から減少に転じたのは事実である。しかし、減少率は、年率では0.1%程度と、絶対値ではかなり小さな値だ。

 しかし、特定年齢階級の人口推移を見ると、経済活動との関連が強い階層が見られる。それは、40-59歳層だ。その年齢階層の人口増加率を、総人口増加率とともに【図表3】に示す。

 40-59歳層の人口増加率が1985、86年に落ち込んでいるのは、戦時期に出生率が急減したことの影響である。これを除いて考えれば、80年代前半には年率2%台後半の率で増加していたのだが、90年代に入ってから伸び率が低下したということができる。これは、日本経済の盛衰とほぼ同じ動きである。そして、90年代後半から伸び率がマイナスに転じた。2007年からは年率1%を超える減少を示している。

 40-59歳層の人口を実数で見ると、1995年に3654万人だったのが、2009年には3328万人と、約1割減少した。総人口はこの間に1億2557万人から1億2751万人へと、むしろ増えていることに注意が必要である。

 このように、経済活動に影響していると考えられるのは、総人口の変化よりも、40-59歳層の人口動向だと考えられる。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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