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喫煙歴、50歳以上、血尿ときたら
初期診断が予後を左右──膀胱がん

監修 鷲巣賢一(静岡県立静岡がんセンター病院長)

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第29回】

 ある日、痛くもないのに派手に赤いおしっこが出たYさん、56歳。念のため受診した泌尿器科でがん専門施設を紹介された──。

 長期喫煙、男性、50歳以上、痛みを伴わない血尿(無症候性血尿)と4拍子揃ったら、速やかに泌尿器科の尿細胞診検査を受けること。顕微鏡で尿中のがん細胞を探すだけなので手間はかからない。もし陽性~擬陽性なら局所麻酔下で尿道から内視鏡を入れ、肉眼で確認した後、細胞を採取して詳細に調べる。がんの診断としては当たり前の手順だが、特に膀胱がんの場合は、この初期診断が治療法と予後に大きく影響する。

 ひと口に膀胱がんといっても3タイプに大別される。無症候性の血尿から見つかるタイプは、比較的おとなしい表在性がん。膀胱粘膜表面にがん腫がとどまり、転移もほとんどない。膀胱がんの7割は表在性で、早期ならイソギンチャクもどきに群生したがん腫を内視鏡で確認しつつ、電気メスで削り取って治療終了。ただし、再発率が非常に高いため、最近は再発予防のため術後に抗がん剤治療を行うケースが増えている。

 厄介なのは表在性なのに悪性度が高い上皮内がんが隠れている可能性が3~5%あること。表面は扁平だが、じつは粘膜に沿って横ばいに拡がっている。時には非常にタチの悪い「スキルス」タイプのこともある。見た目にわかりにくいので、内視鏡観察で見逃されることも少なくない。しかし、表在性にはない、排尿時の痛みやピンクの血尿など膀胱炎に似た自覚症状が手がかりになる。しつこい膀胱炎に悩まされた経験があるなら、必ず医師に伝えることだ。

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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