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金融市場異論百出

早期利上げ観測を否定するECB総裁の真意と狙い

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2011年2月2日
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 シカゴ・マーカンタイル先物取引所のユーロ先物取引で、1月18日までの7日間に過去最大級の記録的な「ユーロ買い」が発生した。投資家のポジションは「74億ユーロの売り」から「6.9億ユーロの買い」へシフトした(「フィナンシャルタイムズ」紙1月24日)。

 ユーロ買いを誘った要因としては、ECBがインフレ警戒姿勢を示したため利上げ観測が台頭したこと、欧州各国政府がより大胆なユーロ圏ソブリン(国債)危機対策を打ち出すのではないかという期待、外貨準備を豊富に持つ中国や日本が欧州の債券を支える姿勢を見せたことなどが挙げられる。

 ギリシャ、アイルランドと続いたユーロ圏のソブリン危機がポルトガルに波及する恐れは残っているものの、スペイン、イタリア等には“伝染”しないという見方も今年に入ってから欧州市場でやや強くなっている。ドイツ国債に対するスペイン国債の利回りの開きは、11月末は2.83%だったが、1月24日は2.09%に縮小した。

 典型は英「エコノミスト」誌(1月15日号)の特集記事。スペインの金融システムが抱える債務超過を財政資金で補填しても、累積債務の対GDP比はフランス、ドイツ並みであり、アイルランドのような悲惨なことにはならない、と試算している。イタリア、ベルギーの財政も耐えられそうだと指摘している。ただし、同誌は、ギリシャ国債の金利がこれだけ高騰してしまうと、同国が財政再建を実現することは困難であり、債務のリストラクチャリング(整理)は不可避と見ている。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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