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「引きこもり」するオトナたち

引きこもりから勤続年数13年の会社員へ
自己嫌悪に陥った当事者はどう心の闇を脱したのか

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第54回】

 生きづらさを抱えた自分がものすごくイヤで、なかなか外に出られなかった。そんなつらかった心の病などの経験をカミングアウトし、「自慢話」やアートに置き換える活動を続けることで、収入を得る経済生活への第1歩を踏み出せた人たちもいる。

“いま”という空気を感じた
『こわれ者の祭典』の熱気

 少し古い話になるが、1月9日の日曜日、新宿ロフトプラスワン(新宿区)で開かれた『こわれ者の祭典~「病気」から回復した僕たちのメッセージ~』というライブに誘われた。

 出演するのは、「引きこもり」や「アダルトチルドレン」「強迫行為」「脳性マヒ」などの当事者たち。それぞれが「生きづらさから、どのようにして回復していったのか」を朗読やコント、パフォーマンスなどで披露する。また、精神科医の香山リカさん、作家の雨宮処凛さんらも交えて、トークを行うイベントだ。

 休日にそんな集まらないだろうと、タカをくくって、ぶらりと開演直前くらいに出かけてみれば、すでに会場の入り口は満員の観客で入りきらない。中に入って見渡してみると、客席は立ち見までギッシリ埋まって、熱気に溢れている。

 意外に、若い世代の人たちが多いことにも驚かされた。いや、むしろ中高年以上の世代の姿が少ない…というべきなのか。すでにイベントは9年くらい続いていて、リピーターもいるそうだ。これが、“いま”という時代の空気なのだろう。そう思うと、かすかな希望が見えるような気もしてくる。

引きこもりへの自己嫌悪を拭った
「くたばれ、自己責任!」という言葉

 中でも、こうして詰めかけた若い世代の魂を揺さぶるようなストレートな訴えを披露し、会場を笑わせていたのは、「引きこもり」経験者で、イベントの主催者でもある月乃光司さん(45歳)の叫ぶ朗読だ。

 月乃さんは、「引きこもり」時代に着ていたというパジャマ姿で舞台に登場。そして、こう叫ぶ。

 「くたばれ、自己責任!」

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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