
NISA(少額投資非課税制度)を活用する個人が増えている。世界株式や米国株式に投資する投資信託が人気ではあるが、ブロックチェーン技術関連のビジネスを行う企業を投資対象にした投資信託があるのはご存じだろうか。新しい技術で成長する企業に投資し、今後大きな成長期待のあるこの投資信託の真価を探る。
ブロックチェーン投資は「サテライト」として将来有望
使い勝手が向上した新NISAの登場による投資環境の変化や、年金を始めとした社会不安の高まりなどを背景に、NISA口座を活用した投資を検討したり始めたりする人が増えている(※1)。
※1 日本証券業協会の調査によると、新NISAが始まった2024年1月から9月末までの口座の増加数は384万口座に上り、総口座数は2509万口座に達した
「NISAを始めた」という声を多く聞くようになったが、NISAは運用益などが非課税になるというメリットを持つ「仕組み」であり、金融商品そのものではない。肝心なことは、NISAを使ってどのような金融商品を買うか。もっと言えば、長期投資を前提に、どのような金融商品を組み合わせたポートフォリオをつくるかということだ。
投資にコア・サテライト戦略という考え方がある。それは長期に安定的な運用をする「コア」となる金融商品と、許容できる範囲でリスクを取って高いリターンを求めて積極運用する「サテライト」となる金融商品を組み合わせる、守りと攻めの資産運用戦略だ。
NISA投資家の間で人気なのは、全世界の株式に分散投資ができるオール・カントリーや米国大型株で構成されるS&P500インデックスに連動する投資成果を目指すようなインデックス連動型の投資信託だ。これらは「コア」の候補であり、実は「サテライト」の候補選びがなかなか難しいことに気が付く。
これからの世界の主役となり、大きな成長が期待できる分野、例えばインターネットが台頭し始めたときのような技術候補といわれる、ブロックチェーン(分散型台帳)技術をご存じだろうか。
そもそもブロックチェーンとは、暗号化されたデータの塊(ブロック)を生成し、それぞれのブロックをチェーンのようにつないで安全に管理する仕組み。2009年にビットコインで実用化され、デジタル上でデータにとどまらず価値や資産の取引ができるようになった。
そして、そのブロックチェーンに着目した投資信託がある。インベスコ・アセット・マネジメント(以下、インベスコAM)が提供する、ブロックチェーン関連企業に投資するファンド「インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド(愛称:世カエル)」だ。注目なのは、この投資信託はNISAの成長投資枠(予想分配金提示型を除く)で買うことができるファンドだということだ。
インベスコAMは、世界有数の独立系資産運用会社インベスコの日本法人。プロダクト・マネジメント本部、株式・マルチアセット部兼ETF事業推進担当の小島雄介氏は、ブロックチェーンを「インターネットの次の世代の産業基盤となるテクノロジー」と表現する。そして「世カエル」は、「ブロックチェーンを使ってビジネスを成長・拡大していく企業に投資をします」(小島氏)。そんな 「世カエル」には三つの特徴がある。
特徴1)これから成長が見込める「二つのカテゴリーに投資」
特徴2)アクティブ・インデックス
特徴3)「世界株式インデックスとの銘柄重複が少ない」ので分散効果が狙える
では、この三つの特徴を詳しく見ていこう。