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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

寄付集めは、まさにエンタテインメント!
「お金」以外に、寄付市場の成長に必要なもの

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第37回】 2011年2月8日
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 寄付論議が盛り上がっている。年初の「タイガーマスク現象」に続き、NPO法人などへの寄付に対する税控除の拡充など寄付税制改革に対して、官直人首相も「内閣としても最優先で取り組んでいきたい」と明言。また、2011年度から信託銀行に預けたお金を政府認定のNPO法人などに対して計画的に寄付ができる信託商品が認められる。

 寄付の気分が盛り上がり、それを後押しする法整備も進みそうだ。加えて、タイガーマスク現象では、寄付者が自分なりのスタイルで寄付をするという楽しみを社会が学んだ。というわけで、NPOなどの非営利セクターは、これで寄付が増えるのではないか。今年は「寄付元年」と呼べる年になるのではないか。という大きな期待がある。

これまで日本で寄付文化が
育たなかったワケ

 そんな盛り上がりの中、寄付に関する日本最大級のイベント「ファンドレイジング・日本2011」が2月5日、6日の2日間にわたって開催された。

2月5日、6日の2日間にわたって開催された、寄付に関する日本最大級のイベント「ファンドレイジング・日本2011」。定員400名に対し、申し込み期限の約2週間前に満員御礼となったという。

 「ファンドレイジング」というのは、簡単に言えばNPOなどのための資金調達のことだが、いまでは社会貢献に関心のある人にとってはもはや説明不要の言葉になっている。ほんの数年前までは、日本ではほとんど知られていなかった言葉だと思えば、やはり日本の寄付文化は進化しているといえるだろう。

 寄付大国のアメリカでは、ファンドレイジングを行なうファンドレイザーはちゃんとした職業として成り立っていて、2万人くらいのプロがいるという。平均年収は800万円くらいで、一流になると数千万円の報酬を得るという。このクラスになると、ヘッドハンティングの対象となり、NPO同士で引き抜き合戦になると聞く。

 このようなプロが競い合い、ノウハウを共有してお互いのスキルを高めあい、寄付文化を進化させている。それがアメリカだ。翻って日本では、ファンドレイジングという概念すら数年前まではほとんど無かった。プロのファンドレイザーもほとんど育っていない。その違いが、日本の個人寄付約5500億円。アメリカの個人寄付約18兆円という寄付額の違いにつながっている。日本に寄付文化が育っていないのは、キリスト教文化との違いだとか、寄付税制が弱いからだといわれるが、実は「寄付」に関してマーケティングができていなかったのが最大の原因だと筆者は考えている。

 日本ファンドレイジング協会は、そんな日本の寄付マーケットを活性化し、新たな寄付文化を創り、寄付市場を拡大することを目的に設立された。たった2年前のことである。ファンドレイジングに特化したイベントである「ファンドレイジング・日本」が初めて開催されたのも昨年2月のことである。今年で2回目。つまり、日本におけるファンドレイジングの浸透、寄付文化の創造はまだまだ始まったばかりだということだ。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

「社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭」

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