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岸博幸のクリエイティブ国富論

忍び寄る新たなネットバブルの正体
ソーシャルの名のもとにあなたが消費される
デジタル植民地時代がやってきた

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第127回】 2011年2月18日
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 米国では、昨年後半からまたもやネットバブルが始まりつつあるように見受けられます。景気の回復に伴い、ネット広告市場もまた拡大を始めたこと(2009年は前年比で減少したものの、2010年は約20%増加したこと)がその主因と思われますが、それにしても、米国ではネット関連で景気のいい話がどんどん報道されています。

 たとえば、フェイスブックの企業価値は500億ドル(約4兆円!)と報道されました。ツイッターはグーグルやフェイスブックと買収の初期交渉を始めたとも報道されましたが、そこではツイッターの企業価値は100億ドル(約8千億円!)と言われています。

 その他にも、ミニブログサービスのTumblr、Q&AサイトのQuoraなど、様々なネットベンチャーが報道でもてはやされるようになっています。

 また、ネットジャーナリズムのサイトであるハフィントン・ポストがAOLに3億1千5百万ドル(約260億円)で買収されました。

 このように米国のネット業界がまた盛り上がり出していますが、それらの企業のビジネスの実態を冷静に考えると、今度のバブルはタチが悪いなあと言わざるを得ないように思えます。その理由は、結果的にこれらの企業はユーザーやブロガーなどから搾取しているからです。

 ウェブ2.0が喧伝された前回のネットバブルでは、グーグルに代表されるネット企業が、マスメディアやコンテンツ企業からコンテンツの流通独占を奪取することで、大きな利益を獲得することができました。つまり、搾取の対象はマスメディアやコンテンツ企業だったのです。

 それでは今回のバブルはどうでしょうか。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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メディアや文化などソフトパワーを総称する「クリエイティブ産業」なる新概念が注目を集めている。その正しい捉え方と実践法を経済政策の論客が説く。

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