米国では、昨年後半からまたもやネットバブルが始まりつつあるように見受けられます。景気の回復に伴い、ネット広告市場もまた拡大を始めたこと(2009年は前年比で減少したものの、2010年は約20%増加したこと)がその主因と思われますが、それにしても、米国ではネット関連で景気のいい話がどんどん報道されています。
たとえば、フェイスブックの企業価値は500億ドル(約4兆円!)と報道されました。ツイッターはグーグルやフェイスブックと買収の初期交渉を始めたとも報道されましたが、そこではツイッターの企業価値は100億ドル(約8千億円!)と言われています。
その他にも、ミニブログサービスのTumblr、Q&AサイトのQuoraなど、様々なネットベンチャーが報道でもてはやされるようになっています。
また、ネットジャーナリズムのサイトであるハフィントン・ポストがAOLに3億1千5百万ドル(約260億円)で買収されました。
このように米国のネット業界がまた盛り上がり出していますが、それらの企業のビジネスの実態を冷静に考えると、今度のバブルはタチが悪いなあと言わざるを得ないように思えます。その理由は、結果的にこれらの企業はユーザーやブロガーなどから搾取しているからです。
ウェブ2.0が喧伝された前回のネットバブルでは、グーグルに代表されるネット企業が、マスメディアやコンテンツ企業からコンテンツの流通独占を奪取することで、大きな利益を獲得することができました。つまり、搾取の対象はマスメディアやコンテンツ企業だったのです。
それでは今回のバブルはどうでしょうか。