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JALの整理解雇不当裁判は
日本型雇用に一石を投じるか

週刊ダイヤモンド編集部
2011年2月21日
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3月3日、日本の雇用慣行を左右する重要な裁判が始まる。会社更生手続き中の日本航空(JAL)が昨年12月31日に解雇した165人のうち、146人(機長17人、副操縦士57人、客室乗務員72人)が、解雇は不当であるとして、東京地方裁判所に提訴していた。産業界、労働組合、法曹界は裁判の行方を注視している。

JALを提訴したパイロットと客室乗務員は年齢の高い社員が多く、「経験がものをいう航空運航で安全性低下を招く」と批判した
Photo:JIJI

 昨年12月半ば、JALの経営会議で整理解雇を通告した165人の名簿が配布された。そこには今回の解雇で支給される退職金の総額も記載されていた。

 客室乗務員でも1000万円は下らず、機長のなかには5000万円を上回る者もいた。産業界の常識を超える破格の厚遇に、再建に乗り込んだ企業再生支援機構のメンバーは、「過去の再建案件とは1ケタ違う」と、深いため息を漏らした。

 繰り返し募集が行われた早期退職優遇制度においては、月給6ヵ月分の割り増し退職金の支給と最大40日間分の有給休暇の買い取りが約束された。今回の整理解雇においても、ほぼ同等の割り増し退職金──最後の早期退職募集による退職者の退職日は11月末であったため、12月末で解雇された者には月給5ヵ月分と解雇手当──が提示されている。

 通常の整理解雇では、退職金が割り増しされる例はほとんどない。なにしろ整理解雇は、割り増し分など支払う余裕のないほど経営が困窮している場合でなければ、成立しないからだ。

 整理解雇とは、極度の経営難に陥った企業が、従業員との雇用契約を破棄する行為であり、裁判では、交渉力の強い企業の裁量性を縛る観点から、

(1)経営上の必要性
(2)解雇回避努力の義務
(3)人選の妥当性
(4)協議手続きの妥当性

 という四つの要件を満たさなければ認められないという判例が裁判所によって積み上げられてきた。

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