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マーケティングはどこまで顧客を捉えたか

イオングループが取り組むモバイル連携マーケティング
その画期的可能性とは

森川直樹 [ライター]
【第1回】 2011年2月22日
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「POSデータ×会員データ×先端モバイル技術」
で圧倒的な強みを発揮する

 昨年10月、イオンは新サービス「イオンかざすクーポン」をイオンリテールの首都圏1都3県の店舗で開始した。利用は、イオンのモバイルサイトで生年月日、性別、郵便番号、利用店舗の4項目を入力して「イオンモバイル」に登録した会員が対象。会員には割引クーポン情報を掲載したメールが週2回ペースで届く。

 買い物の際は、あらかじめ希望する対象商品のクーポンをダウンロードしておき、店舗での精算時に、レジ横の専用端末に携帯電話(「おサイフケータイ」機能装備が前提)を「かざす」。これだけで対象商品を値引き価格で購入できるという仕組みだ。

 この「イオンかざすクーポン」は、GMS(総合スーパー)、SM(スーパーマーケット)業態店舗としては、国内初の本格的モバイル連携サービスだという。2011年10月までに関東47店舗でのサービス実施と、会員数300万人獲得を当初目標と設定。2012年度末までには1000万人獲得を目指すとしている。

イオンマーケティング株式会社
マーケティング事業
ダイレクター
岡田隆史氏

 この新しいチャレンジで中心的役割を担っているのは、2009年にイオン、NTTドコモ、イオンクレジットサービスの3社による合弁会社として設立されたイオンマーケティング株式会社(代表・小賀雅彦)。同社の役割を、マーケティング事業ダイレクターの岡田隆史氏はこう語る。

 「社名が示すとおり、当社はイオングループ全体のマーケティング力向上を担う機能会社です。しかし、それ以外にも大きなミッションがあります。NTTドコモとの合弁という点でも明らかなように、モバイル技術を活用した新しい可能性の開拓とイオンクレジットサービスで保有している会員顧客への働きかけを強化していくという事業会社としての役割です」

 岡田氏によれば、イオンマーケティングには3つの「資産」が集うことによる強みがあるという。1つは全国数千店舗で毎日蓄積されていくPOSレジのデータ。つまり消費者の購買データだ。もう1つは「イオンカード」の1800万人以上の会員データ。そして3つめがNTTドコモとの連携による最先端のモバイル技術。いずれをとっても国内で有数の規模・水準にあるこれら3つを融合させ、他には実現できない顧客サービス、販促事業を確立していくのだという。

 「3つのリソースを融合し、分析することで得られる効果は絶大です。例えば、既存店の仕入れや価格設定、棚入れ(どの商品を店内のどこにどう配置するか)の改善につながりますし、プライベートブランド商品の開発にもつながります。新規店舗出店においても、独自データとして活用することで競合他社との差別化が可能になるでしょう。またEコマースなど通販やダイレクトマーケティングの可能性増大や、新規事業確立にも大きく貢献できるはず。可能性は無限に広がっています」

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森川直樹 [ライター]

立教大学経済学部卒業後、フジサンケイグループ、講談社グループを経て独立。ビジネス誌を中心に活動しつつ、一般誌、女性誌でも幅広いジャンルを手がけている。


マーケティングはどこまで顧客を捉えたか

商取引のあらゆる側面でさまざまなデータが無尽蔵に生まれている。それらを販売戦略に生かすアプローチはもはや珍しくないが、小売業の前線ではさらに進んで一人ひとりの消費者とひもづいた情報として活用され始めている。携帯電話やスマートホンがまさにパーソナルメディアとして機能をし始めた昨今、「一物一価」のマスマーケティングを超えて「十人十色」の価値と価格を提供する顧客志向マーケティングの最新事例を紹介する。

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