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ブルマ―が1960年代から30年間も定着した謎を解く

小松 聰子 [HONZ]
【第29回】 2016年12月23日
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体操着ではブルマ―はすっかり見かけなくなり、ハーフパンツかクォーターパンツに変わった

ブルマ―本を出版され
嫉妬する私

 今、私の中では嫉妬の炎が燃えまくっている 。そう、我らがブルマー教授こと山本先生がとうとうブルマー本を出されたのだ。これが身悶えずにいられようか。

『ブルマーの謎 <女子の身体>と戦後日本』
山本 雄二
青弓社
201ページ
2000円(税別)

 なぜ、私がこんなにもムズムズとしているのか、それを説明するためには15年以上も前に時計の針を戻さなくてはならない。私は本書『ブルマーの謎 <女子の身体>と戦後日本』の著者、山本雄二教授のゼミに所属する大学3回生であった。卒業グループ研究のテーマを決める打ち合わせの最中から、全ては始まる。私達が「若者のファッション論で進めたい」と主張すると、先生は「ありきたりだよね」と秒殺。研究室には沈黙が横たわって早数分が経とうとしていた。

 おもむろに先生から、「どうせなら、男子体操のユニフォームの変遷なんてどう?」と斜め上からの提案が繰り出され、部屋の中にはさらにビミョーな空気が漂い始める。(そ、そうじゃない、私たちはもっとオシャレで楽しい事がやりたいんだ!)と、私は心の中で叫んでいた。男子体操に、今のように素敵なイメージが無かった頃の話である。男子体操だけはどうしても避けたい、でもこのままだと先生案でまとまっちゃう、どうしよう…と半分泣きそうになっていたその時、私の脳裏にあるものが浮かび上がった。

 そう、ブルマーである。

 なんだか分からないけど、脳みその中でそれは男子体操のユニフォームよりずっと輝いて見えた。そして多分男子体操のユニフォームよりも、ずっといい匂いがするに違いないと直感した。「せ、先生、そーゆー物なら何でもいいんですよね? だったらブルマーの研究をやります!」、これが山本ゼミ・ブルマー研究班誕生の瞬間だったのだ。山本先生は忘れているかも知れないが、発案者はこの私だったのである。もし、あのまま研究に身を捧げていたならば、この私がブルマー本を書いていたかも知れないのだ。ここには著・山本雄二ではなく小松聰子と書いてあったかも知れない、そう思うと嫉妬しない訳にはいかない。

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小松 聰子 [HONZ]

1977年静岡県生まれ。関西大学社会学部卒業後、京都の通販会社に勤務中にふと社会人大学院に行きたくなり会社を辞めて上京。早稲田大学大学院商学研究科専門職学位課程ビジネス専攻卒業。2008年より精密機械メーカーに勤務。大学時代にはブルマーの研究を行い、事あるごとに「ブルマーで卒論書いたんですよ!」と人に言いふらしている。好きなものは水玉模様とピアノ(鍵盤)。書籍で興味があるのは主に人文・社会系。

 


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