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投資信託、銀行窓販の肉食化

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第169回】 2011年2月23日
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投信窓販の回復

 銀行窓口における投資信託販売、通称「銀行窓販」が急回復している。『日本経済新聞』(2月18日夕刊)は、一面トップで、2010年の投信銀行窓販が前年比で7割も増えて、7兆5千億円余りになったことを報じている。

 銀行窓販は、2007年を過去のピークとして、サブプライム問題、リーマンショックを経て大きく落ち込んだ。銀行の顧客は、証券会社よりもリスクテイクに対して慎重な傾向が強いこともあり、2008年、2009年には窓販の金額が大きく落ち込んだ。

 しかし、ここに来て、顧客の側から見ると、長引く預金の低金利に対して新興国での運用などで「高利回りに見える」商品がある(年率10%を超える利回りを記録した売れ筋商品が複数ある)。一方、売る側の事情としては、相変わらず安心して融資できるような優良企業は資金需要が低迷しており、自らのバランスシートをリスクに晒さずに手数料を稼ぐことが出来る投資信託販売には、収益の上でも力の入る状況だ。

 ところで、日経の記事には「乗り換え促進か」という小見出しがあり(非常に小さいが)、「手数料を増やすために商品の乗り換えを促しているとの声が出ている」と結ばれている。

 実際、投資信託協会のホームページで銀行が販売した公募投信の資産残高を見ると、2009年末の25兆8千億円強に対して2010年末は25兆5千億円弱と残高はほぼ横這いであり、大雑把には保有資産残高の3割が、売却されたり、分配されたりで流出して、これを販売が補った形になっている。全てが「乗り換え」という訳ではなかろうが、銀行窓販にも乗り換え営業があるのではないかと疑いたくなるデータだ。

 それでは、銀行はどんなファンド(投資信託)を売っているのだろうか。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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