ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
生活保護のリアル~私たちの明日は? みわよしこ

カジノ解禁で生活保護受給者のギャンブルを禁止すべきか?

みわよしこ [フリーランス・ライター]
【第74回】 2016年12月23日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

2016年12月15日、賛否が大きく分かれるなかで、カジノ解禁を含むIR法が成立した。低所得層の入場制限や生活保護受給者に対するギャンブルなどの禁止も検討されている今の日本で、カジノ解禁が日本に何をもたらすかを改めて考えてみたい。(フリーランス・ライター みわよしこ)

カジノ法案に盛り込まれた
ギャンブル依存性対策は有効か

カジノ解禁を含むIR法が成立したいま、日本で生活保護受給者のギャンブルは禁止されるべきだろうか

 2016年12月15日未明、カジノ解禁を含むIR法(正式名称: 特定複合観光施設区域整備推進法案)が成立した(提出時法案)。参議院修正案にはギャンブル依存症対策・5年後の見直しが含められた。また付帯決議には、以下の項目も含まれている。

 「犯罪防止・治安維持、青少年の健全育成、依存症防止等の観点から問題を生じさせないようにする」(6項)

 「入場規制の制度設計に当たっては、個人情報の保護との調整を図りつつ、個人番号カード(略)の活用を検討する」(9項)

 「ギャンブル等依存症患者への対策を抜本的に強化すること。我が国におけるギャンブル等依存症の実態把握のための体制を整備するとともに、ギャンブル等依存症患者の相談体制や臨床医療体制を強化すること。加えて、ギャンブル等依存症に関する教育上の取組を整備すること。また、カジノにとどまらず、他のギャンブル等に起因する依存症を含め、関係省庁が十分連携して包括的な取組を構築し、強化すること」(10項)

 これらの記述を見ると、「地方自治体が、日本人に対してはマイナンバーカードの保有をカジノの入場条件にし、生活保護受給者を含む低所得層の出入りをチェックし、規制し、ゆくゆくは低所得層が出入りできない場所を増やし、他の様々な行動も規制するようになるのではないか」という危惧を感じてならない。

 私自身は、生まれてから5歳まで、競艇場近くの「オケラ街道」に面したところに住んでいたため、物心つくと同時にギャンブルへの嫌悪を刷り込まれてしまった。今この瞬間に日本からギャンブルが消えても、個人的には全く困らない。でも、「政府と地方自治体が関与して設置される施設に入れない日本人がいる」、あるいは「消費行動をチェックされる」ことには、なんとも言えない気持ち悪さを感じる。ギャンブルが、人間の社会から消滅させるわけにいかない存在であることは理解しているが、「そんな規制をされるくらいなら、ギャンブルの方をなくしてほしい」と思ってしまう。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

みわよしこ [フリーランス・ライター]

1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら


生活保護のリアル~私たちの明日は? みわよしこ

生活保護当事者の増加、不正受給の社会問題化などをきっかけに生活保護制度自体の見直しが本格化している。本連載では、生活保護という制度・その周辺の人々の素顔を紹介しながら、制度そのものの解説。生活保護と貧困と常に隣り合わせにある人々の「ありのまま」の姿を紹介してゆく。

「生活保護のリアル~私たちの明日は? みわよしこ」

⇒バックナンバー一覧