2015年10月、大分県別府市で生活保護ケースワーカーたちが市内のパチンコ店および競輪場で「張り込み」を行い、来店・来場していた生活保護利用者に注意を行い、繰り返される場合には保護費支給を停止した。今回は、筆者の質問に対する別府市の回答を中心に、背景を紹介する。

「パチンコしたら生活保護停止」への
別府市の丁寧な回答

「生活保護でパチンコは禁止」を25年続ける別府市の主張※写真はイメージで、本文とは関係ありません

 2015年10月、大分県別府市社会福祉課(別府市福祉事務所)に所属する生活保護ケースワーカーたちが、市内のパチンコ店13店および競輪場1ヵ所(以下、遊技場)において生活保護利用者が来店・来場していないかどうかを調査し、来ていた場合には文書による指導を行った。この指導は、生活保護法27条に基づいているということである。

 私は2015年1月末、別府市に対して書面で質問を行った。別府市からは2月4日、社会福祉課長名で、丁寧な回答をいただいた。

質問1.
貴市の保護実施体制についてご教示ください。


・福祉事務所(相当)は、市内に「別府市福祉事務所」の1ヵ所のみでしょうか?
・ケースワーカーとして勤務しておられる方々の人数をご教示ください。
・ケースワーカーのうち常勤・非常勤の内訳をご教示ください。
・ケースワーカーのうち、社会福祉士および社会福祉主事の資格を保有しておられる方々の人数をご教示ください。
・訪問調査(法定の最低限は年2回)の回数につき、世帯平均でのデータがありましたらご教示ください。

別府市からの回答(質問1に対しては電話で口頭での回答)

・市内の福祉事務所は、別府市福祉事務所1ヵ所のみ。
・福祉事務所職員は36名。うちケースワーカーは35名。1人は書類発送などの事務処理専門。
・35名のケースワーカーのうち27名が、社会福祉士・社会福祉主事資格を保有。
 社会福祉士6名、社会福祉主事21名。両資格ともの保有者1名。
・訪問調査は、2015年の1-12月で、延べ9750回。
 対象世帯は3223世帯。
 A(年12回=月1回訪問)    169世帯
 B(年6回=隔月訪問)     131世帯
 C(年4回=3ヵ月おき訪問)  1494世帯
 D(年3回=4ヵ月おき訪問)  601世帯
 E(年2回=半年おき訪問)   220世帯
 F(年1回)          608世帯(長期入院患者。精神科病院が多いとのこと)