大正時代から現代まで、その時代の経済事象をつぶさに追ってきた『週刊ダイヤモンド』。創刊約100年となるバックナンバーでは、日本経済の現代史が語られているといってもいい。本コラムでは、約100年間の『週刊ダイヤモンド』を紐解きながら歴史を逆引きしていく。(坪井賢一)

 今回もこの図をまず念頭に置いてから物語を進めよう。

① 1973年から現在=変動ドル本位制(基軸通貨はドル)

② 1971年12月-
1973年2月 スミソニアン体制(固定ドル本位制) 1ドル=308円

③ 1971年8月-1971年12月=変動ドル本位制(金との交換停止)

④ 1950年-1971年8月=固定ドル本位制(ブレトンウッズ体制 1ドル=360円)

⑤ 1879年-1913年=国際金本位制(基軸通貨はポンド)

 前回④段階の終末期に起きた英ポンド平価切下げを取り上げたのだが、ポンド切下げは、じつは20世紀に3回あった。1967年11月の切下げは3回目である。

「週刊ダイヤモンド」(1967年11月27日号)が詳しい解説記事を掲載していた。題して「斜陽化をたどるポンド 平価切下げとはなにか」。

 平価とは、金本位制、あるいは金ドル本位制下、通貨を金やドルに交換する際の比率である。通常ドルで表記する。

 1967年11月のポンド切下げ以前のポンド平価は、1ドル=2.80ドルであり、ブレトンウッズ体制の固定相場では、上下1%の幅以内におさめることになっていた。11月に14.3%切下げ、ポンド平価は1ドル=2.40ドルとなった。

 以上の数値を頭に入れて当時の「週刊ダイヤモンド」を読んでみよう。