健康食品の通販事業を手掛ける、やずやでは、ビジネスの根幹を担う通販システムを刷新した。長年にわたり培ってきた通販のノウハウを全面的に投入し、顧客起点のダイレクトマーケティングをより強力に推進していくのが狙いだ。同社のビジネス戦略や新システムにかけた想い、今後の展望ついて、やずやの代表取締役社長の矢頭徹氏に話を聞いた。

 企業が持続的な発展を遂げていくには、自らの強みを徹底的に磨き上げ、他社にない商品やサービスをいち早く提供していくことが求められる。こうした取り組みを実践し、着実に成長を続けているのが、「にんにく卵黄シリーズ」などの健康食品通販で知られるやずやである。同社では正社員が100人程度と少人数にもかかわらず、約200億円を売り上げる。

ビジネスの中核を担う
通販システムの再構築に挑む

「『食』を通してお客さまの健康をサポートし、心身ともに人生を楽しめる社会に貢献していくことが当社のミッション。お客さまにとってかけがえのない存在になれるよう、常に新たなチャレンジに取り組んできました」と語るのは、同社の代表取締役社長を務める矢頭徹氏だ。

やずや
矢頭 徹 代表取締役社長

 同社が大きな成功を収められた要因の1つに、現場の力を最大限に発揮できる仕組み作りを進めてきた点が挙げられる。「本当に喜んでいただける商品・サービスを生み出すには、まず現場の社員自身が楽しく働ける環境が不可欠です。社内に託児所を整備したり、さまざまな社内コミュニケーションイベントを実施しているのもそのためです」と矢頭氏は話す。

 また、現場力を支えるもう1つの重要な仕組みが、同社のビジネスの中核を担う通販システムだ。ここには顧客の属性情報や購買履歴、居住地の天気などあらゆる情報を集約。迅速・適確な顧客応対に役立てており、CRM( Customer Relationship Managemant・顧客関係管理)システムとしての役割も担う。システムの顧客情報を基にチラシや試供品/ノベルティの内容を変更するなど、「顧客一人ひとりを見据えたマーケティング」の実現に欠かせないものとなっている。

「少人数で売上を伸ばすには、どうしても作業の効率化を進める必要があります。小さな組織が大きな企業と戦うためには、アイデアで負けないことが大前提。そのアイデアを考えることに時間を割くために、使いやすく 業務効率化を実現できる仕組み(システム)が絶対的に必要なのです」と矢頭氏は語る。

 ただし、そのCRMシステムには課題もあった。幾度も改修を積み重ねてきたことでシステムが複雑化し、現場の情報活用にも影響が生じるようになっていたのだ。そこでもっと現場のユーザーが使いやすく、今後の成長にも対応できるようなシンプルなシステムを構築したいと考えたという。