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われわれは いかに働き どう生きるべきか
【第1回】 2017年1月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
ピーター F. ドラッカー [Peter F. Drucker],上田惇生

寿命が延びた時代をどう生きるか
ドラッカー幻の研修テープで語られていたこと

寿命が延びたからこそ生じる、仕事、キャリア、生きがいの問題に、いま、わたしたちはどう向き合うべきか。実は半世紀も前に、ドラッカーのアドバイスは用意されていた。
1970年代に収録されたドラッカー本人による「幻の研修テープ」が、このたび、初めて書籍化された。計3回にわたって『われわれは いかに働き どう生きるべきか』の内容紹介、および、本文の一部を無料公開する。

自らの経験に「飽き」が来るほど
長い時間軸のなかで

ピーター F. ドラッカー
(Peter F. Drucker)
没後10年を超えたにもかかわらず、世界中から注目され続ける「知の巨人」「マネジメントの父」。「もしドラ」の題材となった『マネジメント』、IT起業家のバイブルとなった『ネクスト・ソサエティ』など、その著作は生涯で50冊以上にのぼる。
詳しくは、
ドラッカー日本公式サイト http://drucker.diamond.co.jp/

 2005年11月11日にドラッカー教授が旅立たれて、はや12年になろうとしています。もう新たなメッセージに触れることができなくなった……と思いきや、サプライズがありました。

 ドラッカー家の娘さんたちの手により、1970年代にドラッカー教授が出演した幻の研修カセットテープが見つけられ、ダイヤモンド社に送られてきたのです。

 本書『われわれはいかに働き どう生きるべきか』は、その音源とテキストを初めて翻訳し、書籍化したものです。

 聞いてみて、驚きました。

 ご存じのとおり、もうここ何年もの間、高齢化社会の行方が論じられています。それは制度面のみならず、個々人の生き方をも揺るがすものです。寿命が延びたからこそ生じる、仕事、キャリア、生きがいの問題……いずれも人類(!?)が、初めて直面するものばかり。

 むろん親世代の人生設計は参考にならず、解決策はいまだに見つからないままです。

 ところが、ドラッカー教授は半世紀も前に、この未曽有の事態を予期していました。そして長い年月の隔たりを超え、示唆深い、しかし今なお役に立つメッセージを送ってくれています。

 おそらく本書の読者は、仕事人として辣腕を振るい、家庭人・地域人として責任を持つ、マネジャー世代か多いことでしょう。

 リタイアはまだ先の話であり、確たる見通しを立てづらい。一方、手にした知恵や経験と引き換えに、気力・体力は昔どおりとはいかず、働き方やモチベーションを維持する方法を見直さざるをえない……、そういう悩ましい局面を迎えているのではないでしょうか。

 そのような社会の中核を担う世代に対し、ドラッカー教授は本書で、

・そもそも、すぐれたマネジャーはどのように考え・行動しているか
・部下に対して、上司に対して、同僚に対して、どのように対応するべきか

 といった、お得意のセルフマネジメントにまつわるアドバイスのみならず、

・寿命が延びた時代には、どのような問題が発生するか
・自らの経験に「飽き」が来るぐらい長い時間軸の中で、キャリアとどう考えるべきか
・変化の激しい時代に対し、どのようなスタンスで生き抜くべきか

 といった、いままさに懸案となっている問題について触れ、よき人生をいかに生きるかを示唆してくれています。

 ドラッカー教授といえば、いつもは深淵かつキレのある論理的な文章で、私たちの視野を広げてくれています。しかし、今回は、対話形式で展開されているためか、いつもとはまた一味異なる、心に染み入る語りくちが印象的です。

 生涯をかけて人間主義を追求した教授の、ふとした日常、温かなお人柄に触れることができたような、そんな気にさせてくれる一冊です。

 それでは、次回より2回にわたって、本書の内容を一部公開していきます。

第2回に続く>

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1909年、ウィーンに生まれ、フランクフルト大学卒業後、経済記者、論説委員として働きながら、国際公法の博士号を取得。33年に発表した論文がナチス・ドイツの不興を買い、ロンドンへ移住。保険会社のエコノミスト、投資銀行のパートナー補佐などを経験した後に渡米。39年、ファシズムの起源を分析した『「経済人」の終わり』を刊行。43年、ゼネラルモーターズより同社のマネジメントに関する研究を依頼され、これは46年に上梓された『会社という概念』に結実している。50年ニューヨーク大学教授に就任。54年『現代の経営』を発表。71年にクレアモント大学院大学教授に就任した。
産業界に最も影響力の大きい経営思想家として知られ、「分権化」「目標管理」「知識労働者」など、数々のコンセプトと手法を発案してきた。邦訳されたものだけでも『断絶の時代』『ポスト資本主義社会』『ネクスト・ソサエティ』(いずれもダイヤモンド社)など、ゆうに30冊を超える著書を発表した。またHarvard Business Reviewにはこの“Management Must Manage”をはじめ、35本の論文を寄稿した。この数はだれにも破られておらず、おそらくこれからも破られることはないだろう。なお、これらドラッカーのHBRへの寄稿論文をすべて収録したアンソロジー『P. F. ドラッカー経営論』(ダイヤモンド社)がある。
2005年11月11日、96歳の誕生日を目前に死去。

上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


われわれは いかに働き どう生きるべきか

寿命が延びたからこそ生じる、仕事、キャリア、生きがいの問題……。仕事のみならず、よき人生をいかに生きるかについて、毎日の心得、そしてハウツーを、ドラッカー教授が語りかける。ドラッカー教授が自ら指南した幻の研修テープの、初の活字化。

「われわれは いかに働き どう生きるべきか」

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