今回は、俳優、そして赤坂の溜池山王で「ぐるめダイニング むらの」という割烹を開き、事業家としても成功されている村野武範氏にお話を伺った。「俳優業を長く続ける秘訣は、“自分磨き”をし続けること」と語る村野氏。探求心は、並大抵ではない。映画界や芸能界の話題に止まらず、政治・経済・ビジネス・投資・世界情勢など、トピックが移るごとに、まるでその道の専門家と会話をしているかのような気分にさせられた。
俳優として様々な役を演じるには、常に高いアンテナを張り巡らせていなければならない。その絶え間ない努力こそが、村野氏の言う「自分磨き」ということに他ならないのだろう。そして村野氏のこれまでの生き方を知ることは、業界が異なる我々にとっても大きな刺激となった。
(聞き手/船井総合研究所:小林昇太郎、撮影/蛭間勇介)
菅首相にそっくり!?
熱血教師役から「くいしん坊!万才」の
レポーターなど幅広く活躍
――本日は、いつも取り上げている“富裕層ビジネス”というテーマに縛られず、村野さんの今日までのご経験や現在なさっているお仕事の内容も織り交ぜながら、ざっくばらんにお話をお伺いできればと思っていますのでよろしくお願いします。
東京都立板橋高等学校、早稲田大学商学部卒業。劇団文学座出身。三浦企画所属。1969年、NHKで放送されたテレビドラマ「走れ玩具」(文化庁芸術祭優秀賞受賞)の主演でデビュー。1971年、映画『八月の濡れた砂』に主演し脚光を浴びる。1972年2月から1年間日本テレビ系で放映された学園ドラマ「飛び出せ! 青春」の熱血教師役で人気を不動のものにする。以後、多くの映画、テレビドラマ、バラエティ番組、CMに出演。また、料理番組「くいしん坊! 万才」(フジテレビ)の七代目くいしん坊(レポーター)を1988年1月から1990年12月にわたって務めたこともあり、グルメレポートには定評がある。
ありがとうございます。こちらこそ、よろしくお願いします。
――村野さんとのご縁をいただいたのは、私の主宰する研究会の情報誌の発行人をしてくださっている蛭間デザイン事務所の蛭間勇介さんからのご紹介なんです。村野さんと蛭間さんは、同じ高校の先輩と後輩の間柄でいらっしゃるとか。
村野さんと言えば、私は料理番組の「くいしん坊!万才」が真っ先に思い出されるんですが、最近では菅直人現首相に似ておられるということで頻繁にテレビ出演されていらっしゃいますよね。缶コーヒーのCMで首相役をされていたり…。
そうなんです。おでこのホクロの位置は逆なんですけど、現首相に似ているなんて、複雑な感じですけどね(笑)
――少し前の『日本以外全部沈没』という映画の中では“安泉純二郎”という首相役もされていらっしゃいましたね。
そういうのもありましたね。ちょうど小泉さんと安倍さんが政権を握っていた時です。よくご存知でしたね。