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田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

震災による自粛ムードを打ち破れ
今こそ平成版マーシャルプラン作成を急げ!

田村耕太郎
【第13回】 2011年3月15日
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消費活動は自粛するな

 祖国を離れているからこそ心配は募る。毎日胸が張り裂けそうな思いだ。過去300年で最大級の巨大地震をカバーする世界中のメディアをザッピングして気分が滅入るばかりだ。

 国内でより多くの震災報道に触れている方々の気持ちは私以上の落ち込み方ではないかと推察する。しかし、不謹慎だと言われるかもしれないが、こんな時だからこそ、二つほどお願いがある。

 まず、被災されなかった地域の方々には、こんな時だからこそ経済活動は活発に行ってほしい。もう一つは政府に対するお願いだ。今こそ“平成版マーシャルプラン”とでもいうべき復興計画をしっかり策定し国内外に向けて堂々と発表してほしい。

 景気の気は気分の気である。Ustreamで日本のメディアを拝見すると、悲惨な状況をくまなく伝えているようだ。これはこれで義捐金集めや政府の的確な支援に資する場合もあるので重要だ。しかし、過剰に悲惨な状況ばかり報道することは国家全体の気を下げてしまう。今回の災害を契機に世界が称賛する協調性を持つ日本人は「あの人たちの生活ぶりを見ていたらとても買い物する気になれない」「自分だけが百貨店に行って買い物をしたらまずい気がする」と考えがちだ。

 もちろん、電力供給量が落ちている今こそ、電力使用は自粛すべきだ。しかし、だからと言って、何でも自粛では、経済が縮小してしまう。そうなると復興資金の確保が財政的に厳しくなってしまう可能性がある。いくつかの都市が壊滅的打撃を受け東北に限らず各地のインフラやライフラインが打撃を受けている今回の復興費用は神戸震災と比してもけた違いになる可能性が高い。

 すでにGDPの二倍の規模の累積債務を抱える我が国にとって、復興資金の確保は容易ではない。今、与野党で何らかの形で増税をして、それを復興資金に回そうとの動きがある。二桁の兆円単位で必要と見込まれる復興資金は、予備費や国債発行だけではまかなえないだろう。ここで経済が縮小してしまえば、復興資金の確保は格段に難しくなる。経済が縮小する中、財政支出が急拡大してしまえば、復興の前に国家財政がダウンしかねない。

 ここは被災されなかった方々にとっては、消費は寄付だと思って、電力需要を増大させないやり方で消費に貢献してほしい。その一部が復興資金に回ると思って、国民がこういう時こそ明るく前向きに消費をしていってほしい。

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田村耕太郎

エール大学、ハーバード大学元研究員。
世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク、ランド研究所にて唯一の日本人研究員を務めた。新日本海新聞社相談役。前大阪日日新聞代表取締役社長。国立シンガポール大学公共政策大学院元研究員。
‘02年から‘10年まで2期参議院議員を務める。その間、内閣府大臣政務官(経済財政・金融・地方分権・再チャレンジ各担当)、参議院国土交通委員長を歴任。
著書には『君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?』『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』などがある。

 

 


田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

欧米だ、シンガポールだ、韓国だ、中国だ、そんなことを言っても、キャッチアップのモデルはもはや世界に存在しない。日本は日本の現状に合わせて自らをモデルチェンジするしかない。坂の上にもはや雲はない!

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