3月11日、マグニチュード9.0の巨大地震とそれに続く大津波が、わが国の東北地方を中心とした広い範囲を襲った。文字通り、わが国にとっては未曽有の大災害だ。それによって、多くの尊い人命が失われ、多くの街が壊滅的な痛手を受けた。
また、福島の原子力発電施設が大きな被害を受け、復旧のために多くの方がそれこそ命がけの作業を行なっている。被害の規模は、この原稿を書いている現在も特定できないほどだ。
被害を受けた方、あるいはご関係の方が被害に遭われた方には、心よりお悔やみを申し上げると同時に、1人でも多くの方の生命が救われることを切に願う。地震や津波に関わる映像を見る度に、その被害の大きさを感じる一方、自分が生きていられることに素直に感謝の気持ちを持つ。
そうした状況下、震災による影響などについて論じることは、不謹慎の誹りを免れないかもしれないが、今思っていることを率直に書くことをご容赦いただきたい。
短期的には厳しい難局に直面するが、
日本が勢いを取り戻すきっかけにも
まず、今回の大災害による被害が大きいことは、言を待たない。おそらく、今年4-6月期のGDPはマイナスに落ち込むことになるだろう。しかし、そんなことは短期的な問題で、長い時間の1コマと考えればよい。
むしろ大切なポイントは、我々日本人が、これからどれだけの希望を持って難局に立ち向かうことができるかだ。この点に関して、私はあまり悲観的ではない。むしろ、大きな希望を持っている。正直言うと、わが国がかつての勢いを回復することを、私は密かに願っている。