未曾有の大災害が東北・関東地方を襲った。着の身着のままで避難せざるを得ず、住居や家財、現金を失い、お金の問題で様々な不安を抱かれている被災者の方も多いと思われる。そうした方々や支援者の方々が今すぐに役立てられるマネーの知識を、独立系ファイナンシャルプランナー集団「生活設計塾クルー」のメンバーが全6回のリレー形式でお伝えする。

生命保険にも災害関連の
保険金や給付金がある

 東北関東大震災で被災した皆様、そしてご遺族の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 損害保険と同様、生命保険も自ら請求しなくては保険金や給付金は受け取れない。今回の震災で、不幸にしてご家族を亡くされた方、お体に障害を負われた方、けがをして入院治療を受けている方で生命保険に加入していた方は、保険金や給付金の請求を忘れないようにしていただきたい。

●災害関連特約を付けていなくても保険金は受け取れる

 災害といえば火災保険などの損害保険を思い浮かべるが、生命保険にも災害関連の保険金や給付金がある。まず、多くの方が加入している「死亡保障+各種特約」の生命保険から見ていきたい。

 定期付終身保険、定期保険、利率変動型積立保険など、保険にはさまざまな種類があるが、地震だろうと病気だろうと、理由はともかく死亡あるいは高度障害状態になったときには保険金が受け取れる。たとえ災害関係の特約を付けていなくても受け取れるということを覚えておきたい。

生命保険、医療保険もまずは確認や連絡を――今回の震災では全保険会社が保険金・給付金の全額支払いを決定、保険料払い込み猶予も

証券や連絡でどんな特約が付いているかを確認

 保険証券が手元にあればどんな特約が付いているか確認してみよう。もし、保険証券がなくなってしまったという場合、以下に述べる細かい保障内容は分からなくてもよいので、加入している保険会社に連絡をして、まず今回の震災で被災したことを伝え、請求手続きを進めたいと申し出てほしい。また、後述の「傷害特約」のように、災害によって身体に障害を負ったときにも保険金が受け取れる可能性があるので、たとえ死亡、高度障害といった状況でなくても、とりあえず確認してみることをお勧めする。