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一流の育て方
【第36回】 2017年2月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
ミセス・パンプキン

中途半端に勉強だけできる人が、二流なワケ
勉強だけでなく、仕事でも活躍する子は、こんな勉強をしている

将来、子供に感謝される「育て方」とはどのようなものか?約200人の「リーダーシップ溢れる学生」および、各界で活躍するビジネスリーダーたちが「親に最も感謝している教育方針」を徹底的に調査した『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』。本書は短期間で20万部の大ベストセラーとなっており、育児書としてだけでなく、子供がいないビジネスパーソンにも「主体性・リーダーシップの育み方」として絶大な支持を得ている。
今回から、著者であるミセス・パンプキン氏が、本書や数々の講演会で伝えている「自分の価値観で、自己実現できる人の育て方」のエッセンスを公開していく。

偏差値至上主義を超える「新しい育て方」

『一流の育て方』というタイトルで、この本は子供を東大・京大などのエリート校に入れ、外資系企業や大企業で活躍するビジネスエリート養成本だという誤解を受けることが多々あります。

 しかし実際は、「旧来のような偏差値エリートに育てる教育が、いかに不幸の元凶か」という「新しい育て方」を論じた本だということが、本書が半年で20万部もの支持を受けることができた一因だと思っております。

 まずは、本書にも編纂されています、「エリート大学生自身が語る、偏差値エリート教育の無意味さ」に関するアンケートを紹介したいと思います。

勉強至上主義で育てない──勉強ができても偉くはない

【アンケート結果】
●勉強ができるくらいでは偉くない
 私の両親は勉強については一切口を出さず、人間性や教養の教育を重視していました。そのせいか、私は「勉強ができることは偉い」という感覚はあまりありません。実際、勉強をして得をするのは他ならぬ自分だし、勉強するだけでアウトプットがなければ、他人に何か大きく貢献しているわけではないと今でも考えています。
 私は、子どもに「勉強ができることは偉い」「素晴らしい」と言うのは不適切だと思います。子どもが、勉強ができる自分は偉いと勘違いしかねないからです。勉強して得た知識や立場を自分の欲望のために使うのは個人の自由であり責められることではありませんが、ほめられることでもありません。(東京大学大学院情報理工学系研究科Tさん)

●勉強は「しなければならないもの」ではなく「できたらいいもの」
 私は高校卒業まで両親から勉強に関し、干渉されたことがない。また、成績がよかったときはほめてくれたが、成績が悪くても特に怒られることはなかった。したがって勉強を両親のためにしているように思ったことはなく、すべて自分のためだと納得して取り組むことができた。そして、勉強は「しなければならないもの」ではなく「できたらいいもの」と教えてくれた両親に大変感謝している。(京都大学経済学部Fさん)

学力をほめすぎると勘違いした大人になる

 学力至上主義で子供を育てると、テストの偏差値や成績でしか人と自分を評価できない、偏狭な人間に転落してしまいます。

 私が親しくさせていただいているある小学校の校長先生が、「子どもの道徳教育は、親と一緒にしないとどうにもならない」とよく仰っておられました。小学生の子を持つ親が偏差値で人を評価したり成績至上主義者だと、たいがい子どももそうだというのです。

 そういえば、私が4人の子どもを通わせた塾では、どの年も、成績がよいことで天下を取った気分でいるような親子が、必ず数組はいたものです。たかだか中学受験の成績で一生が保証されるわけでもないのに、人を見下げるような言動をし、しかも本人たちは気づきもしません。

 世の中には、学歴がなくても社会で役立つ働きをしている立派な人はいっぱいいますし、学歴が高くても社会に貢献らしい貢献をしていない方もたくさんいるものです。

 芸術やスポーツで社会に貢献している人たちなども含めれば、単純に塾や学校のテストの成績を人と比べて有頂天になること自体、恥ずかしくてできることではありません。

 もし親が良識と柔軟な価値観を持ち、謙虚な人であれば、その子どもが横柄な態度になるはずがないと思うのです。成績はよくても、表情が豊かでなく、社交性に欠け、挨拶もまともにできないお子さんがおられます。そのうち壁にぶつかって、ちょっと成績がいいくらいでは社会で通用しないことに気づけばいいのですが、悲しいことにいつまでも気づかない大人も大勢います。

 本当の意味で優秀な人は、人格自体が素晴らしいものです。なにげない立ち居振る舞いや言動に他者への思いやりがあふれ、謙虚さがにじみ出ています。

 これに対し、中途半端に優秀な人ほど、上から目線だったり威張る傾向があり、専門分野の知識は多くても、人間的には二流だったりするものです。

 一流の人は威張る必要がなく、謙虚なのにオーラがあり、周囲から尊敬を集める存在になっていきます。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」(優秀な人ほど謙虚になる)という言葉がありますが、そんな稲穂のような子どもを育てるには、親が持つ価値観や道徳観が大事です。

 テストの得点を上げることだけが至上命題のような育て方は、出身校の偏差値だけが自尊心の源という小さな人間を育てます。そしてテストや学校の偏差値でしか他人を判断できないという、視野の狭い、つまらない大人を生み出してしまうのです。

 勿論勉強ができることは素晴らしいことですが、「勉強できるから偉い」ではなく、勉強は「できたらいいもの」、ただし、「勉強ができるだけでは大したことがない」と、「学力の褒め方」にも十分注意を払わなければならないのです。

(※本原稿は『一流の育て方』から編集して掲載しています)

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ミセス・パンプキン

1947年生まれ。立命館大学法学部卒業。一般的な家庭でありながら、4人の子どもはそれぞれ、プライベートエクイティ・プロフェッショナル、ニューヨーク州弁護士やロンドン勤務の公認会計士、カナダの大学教員などグローバルに活躍するプロフェッショナルに成長。東洋経済オンラインでの長期にわたる人気連載「ミセス・パンプキンの人生相談室」では膨大な数の育児相談をこなし、さまざまな家庭の問題について、洞察あふれるアドバイスを提供している。


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