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日本経済はなぜ最高の時代を迎えるのか?
【第12回】 2017年3月3日
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村上尚己

米大統領選の「前」にプロの投資家が考えていたこと

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2016年11月の米大統領選後に市場がどう動いたかについては、以前の連載でも触れたし、様々なメディアでも取り上げられた。では、選挙以前にはマーケットで何が起きていたかということになると、どうだろうか?じつはこの動きをフォローすると、トランプ相場への期待は、以前から根強くあったことがよく見てとれる。また、今後のマーケットを見通すいろいろなヒントが見えてくる。
「トランプ相場」の到来を的中させた外資系金融マーケット・ストラテジストの村上尚己氏の最新刊『日本経済はなぜ最高の時代を迎えるのか?』から一部をご紹介しよう。

大統領選の「前」に
プロの投資家が考えていたこと

事前のリサーチでは、クリントン氏有利との情報が伝えられていたものの、最終結果が出るまでの世論調査、テレビ討論会での反応、メール問題のスキャンダル疑惑、健康問題、そして失言など、次々と新たな情報が報じられるたびに、マーケットではさまざまな思惑に基づいた売買が繰り返されていた。

このような歴史的イベントが投資材料になるのはやむを得ない。そうしたなかで、一部の投機家たちのあいだでは、「クリントン勝利=株高、トランプ勝利=株安」という基本シナリオが形成されていった。

ただ、中長期的な視点で投資リターンを考えることが求められるプロの海外投資家が、どちらに転ぶかわからない大接戦の選挙結果にベットし、投機的なポジションを構築することはまずない。メディアのバイアスや市場の値動きを踏まえ、個々のイベントのインパクトを事前にある程度想定することはあるが、選挙結果がどちらに転んでもいいように備えておくのがプロである。短期の値動きに追随する投機的な投資家はごく一部であり、ほとんどの投資家は比較的クールに見ていたと考えるほうがいい。

そして実現したのは、投機家たちのシナリオとは異なる、「トランプ勝利=株高」という事態だった。これは「米国経済のこれからにとって、どんな経済政策が望ましいのか?」ということについて、ほとんどのプロ投資家たちが似たような認識を持っていたということだ。マーケットのプロたちは、これまでの経済のあり方を維持するクリントン氏よりも、経済政策の転換を訴えている「異端児」が大統領になるほうが、米国経済にとってプラスだという見通しを持っていたのである。

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村上尚己(むらかみ・なおき)

アライアンス・バーンスタイン株式会社 マーケット・ストラテジスト
1971年生まれ、仙台市で育つ。1994年、東京大学経済学部を卒業後、第一生命保険に入社。その後、日本経済研究センターに出向し、エコノミストとしてのキャリアを歩みはじめる。
第一生命経済研究所、BNPパリバ証券を経て、2003年よりゴールドマン・サックス証券シニア・エコノミスト。2008年よりマネックス証券チーフ・エコノミストとして活躍したのち、2014年より現職。独自の計量モデルを駆使した経済予測分析に基づき、投資家の視点で財政金融政策・金融市場の分析を行っている。
著書に『日本人はなぜ貧乏になったか?』(KADOKAWA)、『「円安大転換」後の日本経済』(光文社新書)などがあるほか、共著に『アベノミクスは進化する―金融岩石理論を問う』(原田泰・片岡剛士・吉松崇[編著]、中央経済社)がある。また、東洋経済オンラインにて「インフレが日本を救う」を連載中。


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