ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
エコカー大戦争!

北米自動車市場に広がる東日本大震災の影響
日系メーカーの部品現地調達に潜む不都合な真実

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第76回】 2011年4月5日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 2011年3月27日、米フロリダ州セント・ピータースバーグ。その市街地の中心で、轟音が響き渡った。インディカーシリーズ第1戦が開幕したのだ。

 ゼッケン5番、佐藤琢磨選手のマシンには、東日本大震災の被災者を支援するためのチャリティ活動である「With you JAPAN」の大きなロゴが見えた。

 このレースへの出場マシンはワンメイク(同じ形式のマシン)で、エンジンはホンダ製のV型8気筒・3.5リッター/最高出力約650馬力だ。ホンダは今回のレーススポンサーであり、レースの先導車(ペースカー)には同社の燃料電池車「FCXクラリティ」が使用された。また、場内中央広場の仮設テントには、北米で発売されているホンダ関連の自動車、大型二輪車、船舶用エンジンが展示され、さながら“青空自動車ショー”の趣であった。

 テント内にいた北米ホンダ関係者は、東日本大震災の影響について「他社ではディーラーへの新車供給が一時停止されたり、ゼネラル・モーターズ(GM)が工場の操業を一時停止したりと、(日本で起きた)地震と津波の影響がアメリカでこれほど大きくなるとは想像していなかった。当社が今後どのように対応するかは分からない」と話した。

 その2日後、アメリカンホンダ(ホンダの北米事業本体)は、大震災による部品調達の遅れにより、北米各地の車両組み立て工場で3月30日から減産を行うと発表した。

 対象となる工場は、米オハイオ州メリーズビル工場、同イーストリバティ工場、インディアナ州グリーンバーグ工場、アラバマ州リンカーン工場、カナダ・オンタリオ州アリストン工場、メキシコ・エルサルト工場だ。ホンダは北米生産車における部品供給メーカーの数を600社強と説明。部品の約80%が北米内で調達されており、日本などから輸入している残りの約20%の部品の供給が滞っているとした。

 東日本大震災の影響は、前述のとおり、米自動車メーカーにも及んだ。GMは、3月21日から27日のあいだ、ルイジアナ州シュリブポート工場の稼動を停止した(28日に再開)。稼働停止の理由は日系部品メーカーからの供給が滞ったためとしたが、対象となる部品メーカーの名称は公開していない。また稼動再開時にその対象部品の日本からの供給が再開したのか、それとも北米内の他社から調達したのかも明らかにしていない。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


おすすめの本
おすすめの本
好評発売中!
「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」

ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車の共存でビジネスモデルは混沌!トヨタ、ホンダ、日産、三菱など日本メーカーは世界で勝てるのか?年間飛行機移動時間が最も長い日本人自動車ジャーナリストが世界のエコカー事情を徹底取材。市場・インフラ、技術、政策、各社の戦略を詳細かつヴィヴィッドにレポート!

話題の記事

桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


エコカー大戦争!

「エコカー=日本の独壇場」と思っているとすれば、それは大間違いだ。電気自動車、ハイブリッド車を巡る市場争奪戦はこれからが本番。日本は序盤戦を制したに過ぎない。世界規模の取材でエコカー大戦争の行方を探る。

「エコカー大戦争!」

⇒バックナンバー一覧