「ホンダ・日産連合」が再接近、統合協議白紙でも連携を深めざるを得ない事情とは 写真は昨年12月に経営統合協議に向けた発表を行う日産自動車の内田誠前社長(左)とホンダの三部敏宏社長 Photo:Getty Images

ホンダと日産の統合協議破談も
生産・開発の連携が続く

 ホンダと日産。2024年12月23日の両社による経営統合協議のスタートから、わずか2カ月足らずの今年2月13日には協議の打ち切りが発表されて、あっけなく「世界3位の自動車会社」の誕生は幻に終わった。

 ところが、ホンダ・日産の戦略連携は生きていた。

 ここへきて、両社が分野単位で提携する“連合”への動きが加速している。

 例えば、トランプ関税の逆風への対応として、日産が米国キャントン工場で生産しているピックアップトラックをホンダに供給することを検討するなど、生産補完に関する協議が具体化している。さらに、次世代車で基盤ソフトを共通化する方針だと報道されるなど、ソフトウエア面での協議も前進している。

 これは、「経営統合破談」以後、前期決算発表から株主総会までひとしきり終えた今、30年に向けた経営課題と、急速に変化する外部環境への対応策を示すことが新たに求められているためだ。

 ホンダ・日産ともに、経営体制の立て直しと経営上の“弱点”の克服を迫られている。「経営統合」は白紙にしたものの、昨年夏以来継続している「戦略的パートナーシップ」の連携を強化して生き残りを図るということで、両社トップの思惑が一致したのだろう。