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金融市場異論百出

停電による生産減と物資不足
高失業率下でのインフレ懸念

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2011年4月6日
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 「インドネシア企業が経営する五つ星ホテルのトイレを見てください。それらは海外の五つ星ホテルのように便利で清潔です。インドネシア人には高品質のサービスを提供できる能力があります」。これはホテル関係者の発言ではなく、原子力発電を推進する政府関係者の数年前の発言だ(英「エコノミスト」誌電子版3月25日号)。

 原発反対派は、インドネシアには原発を安全に運営する十分な能力がないと懸念していた。それに対して彼は、上記の説明で説得を試みた。しかし、福島第1原発の事故が発生した今となっては、説得が難しくなっているだろう。ジャワ島には火山がある。彼らは日本の原発を「地震に強い安全性のお手本」として引用していたが、その前提が崩れてしまった。

 世界中で原発建設を見直す動きが高まっている。世界の発電量に対する原発の比率は14%といわれている。日本の30%に比べれば低い。国によっては脱原発が可能だろう。しかし、多くの国で火力発電への回帰が起きれば、二酸化炭素排出量が増大することに加え、化石燃料価格のさらなる高騰を誘発する。悩ましい問題だ。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


金融市場異論百出

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