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週刊ダイヤモンドで読む 逆引き日本経済史

阪神大震災の復興プロジェクトの一つ
神戸製鋼の新鋭火力発電所の威力

坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]
【第24回】 2011年4月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
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「週刊ダイヤモンド」を逆引きし、連載では1960年代までたどっているところだが、東日本大震災に苦しむいま、前回に続き、1995年1月17日に起きた阪神大震災(★注①)を題材にしたレポートを再読し、原発震災復興策の参考に供したい。(坪井賢一)

 1995年1月17日午前5時46分、明石海峡を震源とする兵庫県南部地震が阪神地域を襲った。マグニチュード7.3、大都市直下型の大地震で、家屋の倒壊や火災による死者6437人という大規模災害である。電気、水道、ガス、電話などのライフラインは寸断し、避難住民は31万6000人にのぼった。

 製造業では最も大きな被害を受けた神戸製鋼所の復興と新ビジネスについて逆引きする。震災からほぼ1ヵ月後のレポートである。

製造業で最大の被害を受けた神戸製鋼
急ピッチで生産再開、7ヵ月後には完全復旧へ

「製造業最大の被害で問われる『線材の神戸製鋼』の真価」(「週刊ダイヤモンド」1995年3月4日号)

 神戸製鋼は設備被害と機会損失を合わせ、震災の被害額は1020億円にのぼった。

「神戸製鋼の全社員1万9000人中、加古川を含む被災地に居住する社員が1万2000人、このうち今回の震災で3人が死亡し、親族を亡くした社員は29人に上った。また、自宅の全半壊が1100戸。寮生160人、社宅居住者320人が再入居不能になった。

「こうした人的被害に加え、生産面で最大の被害を受けたのが神戸市灘区の灘浜にある神戸製鉄所である。(中略)震災から1か月余りの間、操業は完全にストップしたままだったが、ようやく2月下旬(1995年)から線材の圧延ラインを先頭に徐々に生産を再開した。(中略)水道もガスも止まったままだが、当面、水は製鉄所のリサイクル水を活用し、ガスはボイラーの燃焼ガスでやり繰りする方針。操業度が上がるころには水道も復旧し、岸壁の修復も進むことを前提にした綱渡りの復旧計画である。」

 急ピッチで復旧を進め、生産活動を再開し、なんとか軌道に乗せることに成功する。その後、完全に復旧したのは7か月後の95年8月である。

★注①「阪神・淡路大震災」を、通常、短縮して「阪神大震災」とするが、当時、「関西大震災」と呼ぶマスコミも多くあった。「週刊ダイヤモンド」もその1つ。

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坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]

1954年生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集長などを経て現職。著書に『複雑系の選択』『めちゃくちゃわかるよ!経済学』(ダイヤモンド社)『浦安図書館を支える人びと』(日本図書館協会)など。


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大正時代から現代まで、その時代の経済事象をつぶさに追ってきた『週刊ダイヤモンド』。創刊約100年となるそのバックナンバーでは、日本経済の現代史が語られているといってもいい。本コラムでは、100年間の『週刊ダイヤモンド』を紐解きながら、歴史を逆引きしていく。

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