ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
従業員の「危険行動」を「安全行動」に変える仕組みづくりを!
【第2回】 2011年4月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
石田 淳 [社団法人行動科学マネジメント研究所所長]

たった一人の従業員の小さな行動が、
大事故につながる

1
nextpage

企業で起こる事故の80~95%が、一従業員の「非安全的」な行動から起きる。安全対策に多額の費用をかけられるはずの大企業でも、なぜ事故を防ぐことができないのだろうか?(インタビュアー:中村富美枝)

──企業生命に関わるような大きな事故の、本当の原因は何なのでしょう?


石田 どれほど大きな事故であっても、そのほとんどがたった一人の従業員の小さな行動から起きています。企業事故の80~95%が一従業員の悪気のない「非安全的」な行動から起きるということがわかっています。航空機事故にしても、一人の管制官、一人の操縦士、一人の整備士などが小さなミスを犯したことから起きるのです。

 今年2月、韓国高速鉄道KTXが脱線事故を起こしました。その原因もコントローラーの一本のナットの緩みにあったと言われています。まさに、一人の整備士の小さなミスが引き起こしたことでした。


──幸いにも乗客にけが人は出ませんでしたが、KTXは諸外国に売り込みの真っ最中でしたから、非常に影響が大きいですね。


石田 一国の経済に影響を及ぼす大問題ですよ。それが、たった一人の従業員の行動ミスで起きてしまう。

 日本企業も我がこととして考えなければなりません。もちろん、事故を望んでいる経営者などいません。しかし、いくらトップがうるさく言っても、最後は現場の従業員一人ひとりが正しい行動をとってくれなければ事故は防げないということです。


──トップの安全管理意識が、現場の従業員に浸透しない理由は何でしょうか?


石田 安全行動というのは、ごく当たり前のことであり、やっても達成感が得られません。毎日、同じようにナットの締まり具合を確認しても、誰が褒めてくれるわけでもない。ましてや、実際にナットが緩んでいることなどほとんどないということであれば「今日ぐらい、いいや」と思ってしまいます。そうした小さなことから、大事故は起きるのです。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
うねりチャート底値買い投資術

うねりチャート底値買い投資術

上岡正明 著

定価(税込):本体1,400円+税   発行年月:2016年12月

<内容紹介>
1日5分、週末15分あればOK。忙しいあなたにもできる究極の投資術。低成長下でも株で1億円を儲けた著者がはじめて明かす、ちょっと地味だけど実はスゴイ投資術。 株で勝つために必要な知識とポイントが、最短で学べる。

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、1/1~1/7)


注目のトピックスPR


石田 淳 [社団法人行動科学マネジメント研究所所長]

社団法人行動科学マネジメント研究所所長/社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事/株式会社ウィルPMインターナショナル代表取締役社長兼最高経営責任者/アメリカの行動分析学会 ABAI(Association for Behavior Analysis International)会員/日本行動分析学会会員/日本ペンクラブ会員/日経BP主催『課長塾』講師
米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジ。「行動科学マネジメント」として確立。 その実績が認められ、日本で初めて組織行動の安全保持を目的として設立された社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事に就任。 グローバル時代に必須のリスクマネジメントやコンプライアンスにも有効な手法と注目され、講演・セミナーなどを精力的に行う。 趣味はトライアスロン&マラソン。2012年4月にはサハラ砂漠250kmマラソンに挑戦、完走を果たす。 著書に、『教える技術』『図解・教える技術』(かんき出版)、『会社を辞めるのは「あと1年」待ちなさい!』(マガジンハウス)、『組織が大きく変わる最高の報酬』(日本能率協会マネジメントセンター)、『3日で営業組織が劇的に変わる行動科学マネジメント』(インフォレスト出版)、『組織行動セーフティマネジメント』『短期間で組織が変わる行動科学マネジメント』(ダイヤモンド社)などがある。
株式会社ウィルPMインターナショナルHP:http://www.will-pm.jp/
社団法人組織行動セーフティマネジメント協会HP: http://behavior-based-safety.org/
石田淳ブログhttp://www.will-pm.jp/blog/ 

 


従業員の「危険行動」を「安全行動」に変える仕組みづくりを!

災害による想定外の被害、小さな確認を怠ったために起こる重大事故、コンプライアンス上の些細なミスが引き起こした巨額の訴訟など、企業にとっていつ何が起こるか予想できない今、組織のトップやマネジャーは従業員の「危険行動」を「安全行動」に変える仕組みづくりができなければならない。米国で導入され、大きな成果を上げているBBS(組織行動セーフティマネジメント)を日本にはじめて紹介した石田淳氏に、スローガンや心構えを説くのではなく、行動にフォーカスするBBS理論について聞いた。(インタビュアー:中村富美枝)

「従業員の「危険行動」を「安全行動」に変える仕組みづくりを!」

⇒バックナンバー一覧