若い人材の力を伸ばす
育成理念の実践と柔軟な働き方の促進

 このように、既存の枠にとらわれず、新たな事業領域やビジネスモデルの創出に積極的に取り組むJFE商事だが、オフィスでは、たくさんの20~30代の若い社員たちが、生き生きと意見を語り合う光景が目立つ。

20-3020~30代の若い社員が自由に意見交換するJFE商事の東京本社オフィス

 こうした社風は、どのようにして生まれたのか。それは、同社の掲げる「人材育成理念」と、その実践活動に起因しているようだ。

「人材育成理念」には、求められる人材像として、①プロフェッショナルとして、誇りと自信を持つ人材、②グローバルな視野を持ち、広く国内外で活躍できる人材、③変化にチャレンジする前向きなマインドを持った人材、④高い倫理観と愛社精神を持った人材、という四つの項目が挙げられている。

 さらに、採用の際には基礎能力として、「ビジネスに関わる全ての人たちから信頼されるコミュニケーション能力や周囲を巻き込む力、そして、それらを支える地頭力」(稲垣貴礼・同社人事部企画人事室長)を持っているか、という点を重視するという。

 これらの資質を備えた人材を採用・育成し、社員が長く活躍できる企業であり続けるために、同社では、社員教育の機会を拡充してきた。また、ダイバーシティの推進にも力を入れている。とりわけ、女性社員が働きやすい職場づくりにはさまざまな先進的な取り組みを実施しているほか、仕事と家庭の両立を図るため、在宅勤務制度の導入も着実に進められている。