民進党が勢いよく追及している、森友学園の「右翼教育」問題。確かに異様な教育方針であるのは間違いないが、今のままの追及路線を民進党が突っ走ってしまうと、いずれ自滅する。この問題は、民進党が特大「ブーメラン」に被弾する危険性をはらんでいるからだ。(ノンフィクションライター 窪田順生)

民進党の安倍叩きは
「ブーメラン」になるか

 一時はネット上で「アッキード事件」などと騒がれたこの疑惑も、民進党が今のまま突き進めば、あっけなく鎮火してしまうかもしれない。

森友学園問題、民進党の追及はむしろ首相を逃がしかねない右翼教育を追及する方が目立つのは確かだが、民進党にとってはお家芸となった「ブーメラン」にやられることは避けられないだろう Photo:REUTERS/AFLO

 安倍昭恵さんが名誉校長をつとめていた森友学園の国有地払い下げ問題。学園側の業者と近畿財務局が面談した日に、安倍晋三首相が大阪に滞在していたという事実が判明し、民進党が厳しく「首相の関与」を追及しているのはご存じのとおりだが、やや雲行きが怪しくなってきている。

 いまや民進党の代名詞ともいうべき「ブーメラン」がちょいちょいあらわれてきているのだ。首相の大阪滞在をスッパ抜いた「産経」がうれしそうにこんな風に報じている。

「民進党、2日連続でブーメラン炸裂!森友学園理事長への感謝状も旧民主党政権時代だった!?」(産経ニュース2月28日)

「安倍応援団が必死に隠蔽工作!」みたいなコメントが殺到しそうだが、そういう陰謀論的な見立てではなく、「情報戦」という観点で互いの情勢を分析してみても、いまの民進党の戦い方はかなり危うい。

 というより、いまの流れで突っ走ってしまうと、感謝状どころではない「特大ブーメラン」が突き刺さってしまう恐れがあるのだ。

 目下、民進党は大西健介衆議院議員の「政権ぐるみで偏った教育方針を推進している幼稚園を後押ししたり、便宜を図ったりしているのではないか!」という攻め文句からもわかるように、森友学園の愛国教育と安倍首相とのつながりに焦点を絞る戦略をとっている。