全社・ビルごと停電でなければ
意味がない

 ただし、この提案には、ふたつのハードルがある。

 ひとつは、昼休みの変更は、全体で一斉に実施する必要があるということ。

 たとえばひとつの企業で、「営業部門は昼休みを変更するが総務・管理部門は従来どおり」では意味がない。会社単位、事業所単位で、徹底してエアコンを切ることが重要なのだから、誰かがオフィスに残って、エアコンをつけてお弁当を食べていたら意味がない。

「このビルは13~15時の2時間、エアコンを完全に止めます。外にお昼を食べに行きましょう」と、会社側が昼休みの外出を喚起するくらいの徹底さが求められるのだ。残業禁止の企業が、18時を過ぎたら強制的に空調や照明を落としてしまうアレと同じである。

 また、テナントでいくつもの企業が入居しているオフィスビルの場合は、「ビル単位」で昼休み対策を実施する必要がある。

 テナントごとに個別の空調システムがあれば企業単位で実施できるが、それがない場合はテナント企業が連帯して、ビル全体でエアコンを止めることになる。足並みが揃わず、抜け駆けする企業があると、せっかくの節電対策が機能しない。ビルの空調が稼働したままでは、効果はそれほどでもないからだ。

 この対策には企業同士、ビルのテナント同士の連携・連帯が求められるのだ。

 もうひとつは、この対策を社則なり就業規則に盛り込む場合、労働基準法に抵触しないか確認が必要なケースが出てくる可能性があるということ。

 休憩時間と拘束時間の問題、雇用形態と勤務時間の関係など、労基法をクリアできるような就業体制を新たに構築するとなると、それには相応の時間がかかる。その手間がネックになって昼休み対策を敬遠する理由になってしまうことも考えられる。

 企業の足並みを揃えて昼休み対策を徹底させるには、やはり〝国のお達し〟のようなある程度の強制力、強い推進力が必要になるのだ。

 たとえばこうだ。

「昼休みを13時~15時の2時間に変更して、エアコンを切る」。これはぜひとも国が先頭に立って推進してほしい。企業や業界に任せにするのではなく、政府が指導するかたちの方策を打ち出すべきなのである。具体的には次頁のとおり。