スマホや電気の料金プランにどれも「おトク感」がない理由ガス自由化に伴い、きっと様々な料金プランが登場するだろう。スマホも光回線もそうだが、その中から「おトク」な料金プランを見つけ出すのは難しい

ガス自由化で混迷に拍車?
世間に溢れる料金プランは複雑すぎる

 いよいよ4月から始まるガス自由化。東京電力は日本瓦斯(ニチガス)と提携して、東京ガスの販売エリアで都市ガスの供給を始める。関西でも関西電力がガスの販売に参入する。自由化による各社の競争の中で、「ガス料金が今までよりも安くなるのでは」と期待されている。

 昨年4月に実施された電力の小売自由化でも、首都圏では東京ガスをはじめ、インターネットプロバイダや中国電力など他地域の電力会社が参入した。

 しかし、自由化で価格が安くなるのはいいのだが、多くのプランが入り乱れて「いったいどこから電気を買うのが安いのかわからない」という声が多く上がった。その状況は、今回のガスの自由化でさらに混迷しそうだ。

 電力の場合、そもそも毎月の使用料が変動することもあり、契約時に試算した電力料金の比較通りには安くならないという人も頻出した。

 それに加えて、さらに比較をわかりにくくしているのが「セット割」だ。価格コムなどの比較サイトを使う際にも、ガス、電気、光回線、スマホ(携帯電話)、ガソリンスタンド、ケーブルテレビ、ポイントや電子マネーの還元を事細かに入力して比較しなければ、どの会社のプランが自分にとって「本当におトク」なのかがわからない。

 直感的には、電気とガスとインターネットをまとめたプランにした方が、それぞれを別々に購入するよりも安くなるような気がするのだが、実際に比較サイトに情報を入力して、筆者の自宅の近辺で自宅の電力使用量を前提にして詳細に比較すると、結局は中国電力から電気を買ったほうが安いという結果が出たりする。

 さて、そこで今週の本題だ。日本には料金プランが溢れすぎている。なぜ「最もおトクなプラン」を簡単に探すことができないのか。そこには、我々コンサルタントも関係するある理由が存在する。コモディティ(他の商品と品質の差がない商品)の販売競争では、なるべく価格を比較しづらい料金表をつくることが重要なのだ。