「スマホで開ける鍵」が未来社会の重要なインフラになる

 ブロックチェーンで運営されるスマートロック(電子的な錠)は、シェアリングエコノミーで相手と直接に取引することを可能にする。それは、現在、UberやAirbnbなどによって中央集権的に行なわれているシェアリングエコノミーを分散化し、未来社会の重要なインフラになるだろう。

民泊、部屋の鍵もネット上で受け渡し
相手と直接、取引が可能に

「スマートロック」とは、スマートフォンなどを用いて、ドアなどの開閉を行なうシステムのことだ。日本でも、2015年に多くの製品が出荷された。

 民泊で貸し出す部屋の施錠は、スマートロックで行なうのがよい。

 なぜなら、従来の物理的なロックだと、つぎのような問題があるからだ。

 第1に、ゲストと会ってキーを手渡す必要があるが、これには手間がかかる(ドアマットの下や植木鉢に鍵を置くという方法が取られることもあるようだが、まったく不用心なことだ)。

 遠隔地の物件の場合には、そもそも手渡しすることが難しい。

 また、ゲストが約束の時間にチェックインしてこないこともある。

 第2に、物理的なキーでは、複製されたり、盗難されたりする危険がある。

 第3に、鍵の受け渡しサービスを利用することも考えられるが、利用料金が負担になる。

 スマートロックを用いれば、以上の問題を解決できる。なぜなら、権限の付与と取り消しが容易だからだ。宿泊期間が過ぎたら鍵を使えないようにすることなどが簡単にできる。キーの紛失や閉め忘れの心配もない。

 また、掃除やシーツの取り替えなどをしてもらう人に、メールなどでキーを送っておけば、ホストがいなくても家の中に入り、出るときは鍵を閉められる。