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クラウド人事システムを導入して
失敗するのはどんな企業?

――米ワークデイのバイスチェアマンに聞く

大河原克行
【第141回】 2017年3月15日
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クラウドベースの企業向け財務・人事アプリケーションの「ワークデイ」が注目を集めている。日々の業務と分析ツールを一体化したことで、財務や人事、プロジェクトに関する迅速な意思決定や、双方向のコミュニケーションが行えるようになる。日本でも日産自動車や日立製作所などの大手企業を中心に300社以上が採用。全世界1350社が導入し、この半年間で約250社が新規導入するという勢いだ。「経営を変えなくてはならないと考えている企業がワークデイを採用している。既存のERPのままでは企業成長を阻害するだけだ」と、米ワークデイのバイスチェアマンであるマイク・スタンキー (Mike Stankey)氏は語る。(取材・文/大河原克行)

――ワークデイが注目を集めている理由はなんですか。

マイク・スタンキー (Mike Stankey) Workday, Inc. バイスチェアマン
ピープルソフト、仮想ストレージソフトウェア企業などを経て2009年にWorkday,Inc.に入社。2015 年まで、同社プレジデント兼COOを務めたのち、現職

スタンキー 技術の進化によって、社会が変化し、ビジネスのやり方が変わっています。ビジネスは24時間365日止まることなく動いており、国をまたいだ社員同士のコミュニケーションが重視され、さらにモバイル環境で利用できることが求められています。

 しかし、それにも関わらず、多くの企業が利用しているERPは、30年前の技術であり、こうした要求に対応できず、グローバル企業の成長を阻害しようとしています。いわば古い技術が、会社の成長や人の成長、人を生かすといったことを妨げているのが現状です。

 そうした課題にいち早く気がついた企業が、新たなテクノロジーを活用したワークデイを選択し始めています。日本では、日産自動車や日立製作所、ソニー、ファーストリテイリングなど、欧州でユニリーバ、米国ではAmazon.com、ウォルマート、ヒューレット・パッカードといったグローバル企業が、ワークデイを選択しているのはそのためです。社員が成長するためになにをしたらいいのか。そのための新たな技術として、財務・人事アプリケーションのワークデイに注目が集まっていると認識しています。

 過去10年に渡って、競合企業がワークデイを追い越すことを目的に、多くの投資をしていますが、私の認識では、ワークデイとの差は、まだ5年ほどはあるのではないかと思っています。むしろ、差が広がっているかもしれません。

――ワークデイを選択している企業の共通項はありますか。

スタンキー ひとつはビジネスをグローバルに展開しなくてはならない企業です。もうひとつは、経営の在り方を変えなくてはいけないと考えている企業です。企業は自らを変化させていかなくてはいけません。いや、むしろ生き残る企業こそが変化をしています。それに伴い、組織も柔軟に変更しなくてはなりません。

 しかし、古い技術のITシステムでは、それに追いつくことができません。ワークデイであれば、組織体制が変わっても、1時間後にはシステムが、それに追随できる。また、労働者と雇用者の関係は、単なる上下関係から、コラボレーション型に変わってきています。さらに社員は、自らが欲しい社内情報に対して、自らアクセスできる環境を求めている。こうした新たな組織の環境に適したITシステムが企業には不可欠です。

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1965年東京都出身。 IT業界専門紙「BCN(ビジネス・コンピュータ・ニュース)」で編集長を経て、現在フリー。IT業界全般に幅広い取材、執筆活動を展開中。


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