食品・日用品メーカーが驚くビジネスモデルを展開する段ボール製造最大手のレンゴー。“儲からない商売”の代名詞だった段ボール業界を変革した大坪社長に話を聞いた。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 柳澤里佳)

レンゴー 大坪清社長インタビュー<br />「被災した仙台工場の移転を決断<br />次期経営陣は若返りを図る」Photo by Satoru Oka/REAL

 われわれは長らくメジャー産業の下請けだった。けれども今は、便利でおもしろい、新しい段ボールを作ることでむしろその段ボールに合わせた中身を顧客が作るようになる、そうしてその商品が売れていく、そんな発想や気概で段ボールの商売をしたいと思う。

 それができたのが缶ビール。缶メーカーと段ボールメーカーが一体となって開発したからビールは主流が瓶から缶になったわけだ。だから技術者には「美感遊創」を標語に常に遊びの心を忘れずにアイディアを生み出してほしい。

 パッケージはただ単にモノを包装して運ぶというだけでなく、情報を発信し、商品の売り上げに貢献する役目を果たす。「パッケージのことならレンゴーに頼めばすべて解決してくれる」と言われるのが勝ち残りの道だ。

 そしてその解決方法を事業化することが、レンゴーの次世代の姿だと考えている。

 これをかなえるには海外事業の加速も重要だ。連結消去前の売上高(2011年3月期)は約7000億円。うち海外事業は約700億円、1割を占める。これを近い将来、2割のレベルまで引き上げる。中国とインド、米国西海岸に新たな投資を検討している。