デンマークのように公共サービスが重たくなり過ぎてネガティブフィードバックが起こる状態になっているわけでもないし、逆に公共サービスが手薄過ぎて、死者が出るような状態でもなく、適度なところでバランスを取っている、日本は世界でも稀有な国なのです。世界中からあこがれられている国です。

 さらに国民性として真面目で誠実、差別が少なく、貧富の差が小さくて社会がフラットなので、相互扶助の精神が行きわたっている。そんな国だからこそ、僕は世界に先駆けて、

「日本こそ国民全員が家族になることができる国」

 だと考えています。もちろん、人類のゴールは、

「地球上の全員が家族」

 となることです。その前段階として、国が一つの家族として機能する状態が求められます。僕は、これを「島国仮説」と呼んでいます。つまり、みんなが助け合って平等になるということです。

日本のものづくり世界一は
労働を苦役としない社会ゆえ

 そのためには「家族の輪」を広げなければなりません。血縁だけが家族、一族という幻想を捨て去って、その枠組みを拡大していく必要があります。そうなると、

「僕の父はお金持ちだから将来は安泰」

「自分の子どもにお金をどれだけ残そうか」

 といったような矮小な思考がなくなり、

「この社会にいかにして役に立つか、貢献するか」

 という思考をする人が増えます。現在はその方向へと進んでいる過渡期なのです。そして、日本は幸運にも世界をリードできる場所にいます。

 もちろん、日本にも多くの矛盾はある。それでも、日本人は矛盾の中を揺れ動きながら、差別の少ない平等な社会の中で、極端に走る人が少ない安定した社会を形成してきました。