この4月から晴れて大学生というピカピカの1年生がいる一方、残念ながら不合格で「浪人」した人もいるはず。いや、昨今は浪人も多様化し、国立大学などに合格したのに浪人する「合格浪人」や、受かった大学に籍を置きながら次年度の入試に備える「仮面浪人」、志望校のランクアップのための「選択的浪人」などもいる。大学全入時代ならではの“いまどきの浪人”最新事情を取材した。(ダイヤモンド・オンライン編集部 松野友美)

現役生には動画授業が人気だが、浪人生は対面授業の希望が多いという

いまどきの浪人は
医学部を筆頭に理系が中心

 いまや「大学全入時代」。大学の入学希望者数より大学の入学定員数の方が多いため、選り好みさえしなければ誰もがどこかの大学には入れるという状況なのだが、この時代の浪人事情とはどんなものなのか。

 18歳人口が戦後最大となったのは、団塊の世代が18歳を迎えた1966年。それに次いで多かったのが、そのジュニア世代による1992年だった。この年はなんと3人に1人が浪人生だった。志望校に入るのは、本当に難しい時代だった。ところがその後、徐々に浪人数は減っていき、2011年は7人に1人が浪人生という水準にまで変化している。

 2016年度の文部科学省の学校基本調査によると、直近では浪人生は5人に1人程度となっており、やや“盛り返している”印象だが、それにしても浪人が多いとは言い難い。

 浪人の数もさることながら、“質”には明らかな変化がある。

「文系の浪人はいずれほとんどいなくなるでしょう」。駿台教育研究所・進学情報センター長の石原賢一氏はそう予測する。