戦闘開始から30分で勝敗が決まる
専守防衛では負け戦必至

 しかし近年、「専守防衛」をめぐっては、さまざまな議論が起きている。挑発的なロケット発射実験を繰り返す北朝鮮や、中国国籍の船舶による度重なる領海侵犯、竹島をめぐる韓国との領土問題などが報じられるたびに、その“限界”が指摘されてきた。

「専守防衛のような防衛政策を採っている国は世界中を見渡しても日本以外にありません。それも当然で、先に攻撃されない限り手を出せないのだから、最近の中国による尖閣諸島周辺の領海、領空侵犯行為のようにやられ放題になってしまう。もちろん国際法上、領海侵犯した漁船に武力を行使することは認められているし、現にパラオやアルゼンチンは中国の違法漁船を撃墜しています。しかし、現実にはそのような手段を取れない日本が中国に尖閣諸島を奪われるのは時間の問題かもしれません」

 こう語るのは、防衛問題の専門家で警鐘作家の濱野成秋氏だ。

「昨年は安保関連法案が施行されたことで、左翼メディアが大きな声を上げましたが、本質的な問題は専守防衛では日本を守ることは不可能だという点にあるんです。最新兵器が使用される最近の戦争では、戦闘開始から30分もあれば大勢は決着してしまいます。平和時には耳障りのいい専守防衛ですが、防衛出動一つさえ国会審議を経なければならない日本では、ひとたび攻撃を受けた時点で、ほぼ“負け戦”の結果にしかならないんです」(同前)

 専守防衛の看板は、今のところ“弱腰日本”の看板でしかなく、他国から舐められてしまう結果になっているという。では、専守防衛を維持しながら、防衛に実効力を持たせる方法はあるのだろうか。