現状をきちんと評価すれば
「早慶近」が正しい!?

 この他にも企業とタイアップして、クロマグロの中骨を出汁に使ったカップ麺の販売も行うなど、産学連携にも力を入れている。今までの大学にない斬新な取り組みが評価されている。

 卒業生のつんく♂がプロデュースした入学式も大変な話題になっている。他大学を不合格になって近畿大に入学してきた学生も少なくない。そんな彼らに、近畿大で頑張ろうという気持ちになってもらおうという思いからスタートしたイベントだ。

 入試の面では、日本で初めて完全ネット出願に切り替えた。今年から早稲田大、慶應義塾大、立教大もネット出願のみに替わり、今後の出願はネットが主流になることは間違いないところだ。

 女子受験生の増加も大きい。総合社会、建築など、女子に比較的人気の学部を新設してきたこともある。キャンパスを整備して、以前と比べて学習環境が改善されたことも大きい。女子は特にきれいなキャンパスを好む傾向があるからだ。

 このように、今までにない受験生目線の改革を次々と実行してきたことが、志願者激増に結びついた。今では、「近大ならどこの学部でもいい」という高校生も増えているという。難易度も上昇している。

 しかし、世間の大学への見方は保守的で、大学側が改革をどれだけ行おうとも、あまり変わらないものだ。

 今年初めに近畿大は、関西地方で「早慶近」という大きな見出しの新聞広告を打った。旧7帝大(北海道、東北、東京、名古屋、京都、大阪、九州)、早慶上理(早稲田、慶應義塾、上智、東京理科)、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)など、大学はグループで言われることが多い。

 関西でもトップ私立大グループとして関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)の呼び方が定着し、ここには近畿大は入っていない。そういった、旧態依然としたくくりの中から、大学を選ぶのはどうか?と疑問を呈するという内容の広告だった。

 実際、タイムズハイヤーエデュケーションの世界大学ランキングでは、日本の私立総合大を上位から並べると、「早慶近(早稲田、慶應義塾、近畿)」になる。まだまだ、今ある大学のグループの呼び名は頻繁に使われ、しかも顔ぶれが変わることはない。これを近畿大は打破していこうとの宣言とも取れる。次に打つ手が注目される。