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脳にまかせる勉強法
【第16回】 2017年4月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
池田義博

脳が集中力を高めるアイテムとは?

新刊『世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法』では、脳の仕組みを活用し、4回連続記憶力日本一、日本人初の記憶力のグランドマスターになった著者による世界最高峰の勉強法を紹介していきます。記憶力が左右する試験、資格、英語、ビジネスほか、あらゆるシーンで効果を発揮するノウハウを徹底公開します。

脳は締め切りに迫られると、処理速度が向上する

 「速読」をご存じですか?

 本を速く読むためのテクニックで、さまざまな方法が世の中にはあるようです。

 それこそ物理的に目を速く動かして文字を追うものや、文章を音声化しないで見るように読み進めるもの、はたまた潜在意識などを利用するものなど。

 その他にもまだまだあるようですが、そのようなテクニカルな方法をとらなくても、簡単に速読ができる方法があります。

 それは、「締め切りの時間を設定して本を読む」ことです。

 大多数の人は本を読むときに、読むスピードまで意識していません。

 「合間のこの1時間を読書に使おう」というように空き時間に読書を組み込むことはあっても、「この章は5分以内で読もう」「この1冊を30分で読み終えよう」など、読み切る時間まで意識して読んでいる人は少ないのではないでしょうか。

 脳は締め切りに迫られると、処理速度が向上するという特徴を潜在的に持っています。時間に制限がかかることにより、脳が通常より集中力を高めるからです。

 その仕組みを使って本も早く読むことができるのです。

 この効果を勉強にも利用することができます。

 勉強での締め切り時間の設定は、「◯分ぐらい」といったあいまいなものではいけません。

 なぜなら脳に与えるべき緊張感が足りないからです。脳に切迫感が伝わって初めて、脳は「よし、ここは私が働いてやらねば!」となるのです。

 その緊張感を生み出すために使いたいのが「タイマー」です。キッチンなどで使う、時間が来ると「ピピピッ」と鳴るあのタイマーです。

 セットした時間の感覚を頭の中でイメージしてから、スタートボタンを押す。こうして勉強を開始することによって、無意識のうちに脳が時間内でその課題を終わらせるべく集中して働いてくれるのです。

 では実際、勉強のときにタイマーを使うとするなら、どれくらいの時間設定にすればよいでしょうか。

 人間の集中力の持続時間を現実的な勉強時間に当てはめて考えると、15分という時間が適しています。つまり15分を1単位とするのです。

 ただし個人差があるので、最初は15分からスタートし、その後、自分に最適な時間に調整していけばいいと思います。

 そして、この1単位である15分の学習が終了したら休憩をとります。次の15分間の集中のためにも必ず休憩は必要です。

 休憩時間には5分が適しています。もちろん勉強時間と同じように微調整は可能です。

 休憩時間にも、忘れずにタイマーをセットします。気づかずに休憩時間が過ぎていたというのを防ぐためです。

 休息の時間にはできるだけ脳を休ませるため、別の作業はなるべくしないようにしてください。トイレに行ったり、水を飲んだりする時間に充てるといいでしょう。

 あくまでも、このタイマーを使った勉強法は15分の集中時間と5分の休憩時間をセットにして進めることに意味があります。

 この15分+5分というサイクルで進むことによって、同じ1時間の勉強をするにしてもはるかに高い集中力とそれに伴う効率を生み出すことができるのです。

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池田義博(いけだ・よしひろ)

一般社団法人日本記憶能力育成協会会長。
大学卒業後、大手通信機器メーカーにエンジニアとして入社。その後、学習塾を経営。 塾の教材のアイデアを探していたときに出合った記憶術に惹かれ学び始める。このとき、記憶力を競う記憶力日本選手権大会の存在を知り出場を決意。独学での 練習の末、初出場した2013年2月の大会で優勝し記憶力日本一となる。その後、14年、15年と3連覇。17年も優勝し、出場した4回すべて記憶力日本 一に。
また、13年12月、ロンドンで開催された世界記憶力選手権において、日本人初の「記憶力のグランドマスター」の称号を獲得する。
次の夢は技術としての記憶力を広く世の中に伝え、さまざまな立場の人々の記憶力向上に貢献し、それにより豊かな生活を享受してもらうこと。その活動を使命とし形にするため、一般社団法人日本記憶能力育成協会の設立に至る。
NHK総合「ためしてガッテン」や「助けて! きわめびと」、TBSテレビ「マツコの知らない世界」など、テレビ出演多数。


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