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脳にまかせる勉強法
【第13回】 2017年4月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
池田義博

なぜ「知識」が「思い出」に変わると記憶力が上がるのか?

新刊『世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法』では、脳の仕組みを活用し、4回連続記憶力日本一、日本人初の記憶力のグランドマスターになった著者による世界最高峰の勉強法を紹介していきます。記憶力が左右する試験、資格、英語、ビジネスほか、あらゆるシーンで効果を発揮するノウハウを徹底公開します。

「知識の記憶」を「経験の記憶」に書き換える

 クラスの中で抜群に成績がよい人っていますよね。

 勉強でわからないところを、そういう成績のよい人に教えてもらったことはありますか?

 たぶんその人は、丁寧に教えてくれたのではないでしょうか。

 優秀な人ほど、丁寧にしっかりと教えてくれる傾向があるのですが、それには相応の理由があるのです。

 自分の持っている知識をアウトプットすることによって記憶を強化するには、自分の勉強した内容を人に説明する、もしくは教えることがベストなのです。

 脳は知識の記憶は苦手なのに対して、実際に経験、体験したことを記憶するのは得意であるということを(連載第4回)に紹介しました。だからこそ「思い出」は長く記憶に残るのだと。

 そこで、「人に教える」というアウトプットをすることにより、「これは〇〇君に説明したところだ」「ここは勘違いして覚えていたのを逆に教えてもらった内容だ」などというように、「知識の記憶」を「経験の記憶」に書き換えることができるのです。

 そもそも自分自身で本当にその内容を理解していないと、相手に理解してもらうことは困難です。そこで教えた相手の反応で、その時点での自分の習熟度も測ることができるのです。

 さらに、人に教えること以外にも大事なアウトプットがあります。

 それが自己確認の作業です。

 自己確認とは、本番までに行う知識の確認です。

 前回(連載第12回)、自分では覚えているつもりの内容を試験で答えられなかったという例を挙げました。

 その瞬間は嫌な気持ちになったでしょうが、見方を変えると、その苦い経験も長い目で見れば、その時点でのレベルの確認ができたいい機会だったと考えられるのです。

 つまり、その苦い経験も勉強に関する記憶にとってはいい思い出となったわけです。

 次の試験では、この経験の記憶があるために同じ問題が出れば必ず答えられるでしょう。

 本番前に行う自己確認は自分で過去問を解くのでも、友人と問題を出し合うのでも構いません。各団体が主催する模擬テストを受けるのもよいでしょう。

 とにかく、自分の知識をアウトプットして確認できる機会を持つことです。

 この確認の機会がないまま勉強を進めると、知識は豊富にあるけれど、本番の試験のときに初めて、その知識を使いこなせないことに気づくということもありうるのです。

 それまで覚えたものを本番の試験できちんと答えられるようにするために、定期的にアウトプットの自己確認をする方法があります。

 この方法であれば、「頭の中の確認」と「記憶の強化」を同時に行うことができます

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池田義博(いけだ・よしひろ)

一般社団法人日本記憶能力育成協会会長。
大学卒業後、大手通信機器メーカーにエンジニアとして入社。その後、学習塾を経営。 塾の教材のアイデアを探していたときに出合った記憶術に惹かれ学び始める。このとき、記憶力を競う記憶力日本選手権大会の存在を知り出場を決意。独学での 練習の末、初出場した2013年2月の大会で優勝し記憶力日本一となる。その後、14年、15年と3連覇。17年も優勝し、出場した4回すべて記憶力日本 一に。
また、13年12月、ロンドンで開催された世界記憶力選手権において、日本人初の「記憶力のグランドマスター」の称号を獲得する。
次の夢は技術としての記憶力を広く世の中に伝え、さまざまな立場の人々の記憶力向上に貢献し、それにより豊かな生活を享受してもらうこと。その活動を使命とし形にするため、一般社団法人日本記憶能力育成協会の設立に至る。
NHK総合「ためしてガッテン」や「助けて! きわめびと」、TBSテレビ「マツコの知らない世界」など、テレビ出演多数。


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「脳にまかせる勉強法」

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