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キヤノン、日立の液晶合弁
“婚約”すれど“結婚”できぬ理由

週刊ダイヤモンド編集部
2010年3月18日
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 日立製作所、キヤノン、パナソニックの3社が、液晶分野において提携したのは、2007年12月のこと。その中身は、日立が傘下の液晶パネル生産会社2社の株式をキヤノン、パナソニックへ早期に譲渡するというもの。今頃は当然、中小型液晶の日立ディスプレイズはキヤノンの子会社に、大型液晶のIPSアルファテクノロジ(IPSα)はパナソニックの子会社になっているはずだった。

 だが、“婚約”から2年もたったというのに、いまなお日立ディスプレイズは日立傘下にあり、キヤノンによる子会社化の実現には至っていない(08年末にパナソニックはIPSαを子会社化)。遅延の理由は二つある。

 一つ目は、日立、日立ディスプレイズ、IPSαの出資関係が複雑だからだ。07年末時点で、日立は日立ディスプレイズについては直接100%出資し、IPSαについては日立ディスプレイズを経由し間接的に傘下に入れていた。また、IPSαの出資構成は日立ディスプレイズ50%、パナソニック30%、東芝15%であり、東芝の離脱を伴うスキームであったうえに、日立ディスプレイズの企業価値にはIPSαのそれも含まれ、資産評価作業に時間を要した。

 最大の理由は二つ目で、「キヤノンと日立の知的財産に関する考え方にギャップがある」(交渉関係者)からだ。特許のキヤノンといわれるほど、キヤノンには厳格な自社基準があり、生産技術の特許における評価をめぐって、日立側と乖離が生じている模様だ。08年末に、キヤノンは日立ディスプレイズに24・9%出資したまま、両社の溝は埋まっていない。

 キヤノンは日立ディスプレイズへ開発者を出向させて、有機EL事業に着手してはいる。だが、筆頭株主である日立の存在を気にしながらの事業遂行を強いられており、意思決定の遅れにつながりかねない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子)

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